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尾身氏「6~7割接種でもマスク外せない」

2021年7月21日 11:06
尾身氏「6~7割接種でもマスク外せない」

ヨーロッパなどでは、マスク着用義務などの規制を大幅に緩和しているところもあります。政府分科会の尾身茂会長はイギリスの規制緩和は「かなりリスキーなやり方」だとしながら、“ワクチン6~7割接種”でもマスク外せないという見解を示しました。

■英米では規制解除も 日本は?

小野高弘・日本テレビ解説委員
「ヨーロッパなどでは規制の全面解除にいったん踏み切った地域もあります。

例えばイギリスでは、19日からロンドンを含む広い地域で、屋内でのマスク着用義務やソーシャルディスタンスの確保といった規制をほぼ全面解除されました。ワクチン接種を完了した人が5割を超えていることや、死者や入院患者の数が抑えられている、というのが理由です。しかし、新規感染者は連日5万人を超えており、解除は早すぎると言った声も大きいんです。

また、アメリカ・ロサンゼルスでも先月、ほとんどの規制が解除されました。感染状況が改善され、ワクチン接種を完了した人も45%以上になったというのが理由です。そこで、ワクチンを完了した人からマスクを外していいということになりました。ただ、こちらも感染者が増えており、今は屋内の公共スペースではマスク着用を再び義務化している状況です」


■ワクチン6~7割接種でも「マスク外せない」

有働由美子キャスター
「日本の接種率を見ると、2回接種を終えた人が22.3%と欧米に比べておよそ半分なのですが、この数字をどう見たらいいのでしょうか。何パーセントまでワクチン接種が広がれば、我々はマスクを外したり、居酒屋さんでお酒を飲んだりすることが可能になるのでしょうか」

政府分科会・尾身茂会長
「(接種の割合が)どれだけになれば、「集団免疫」が獲得されるのか。例えば6割の人がワクチンを受けようとします。そうすると残り4割の人はワクチンを接種していないけれど、6割の人が接種してくれたおかげで4割の人は接種しないけれども守られる。これを「集団免疫」と言います。ところが残念ながら、このウイルスは6割が接種しても、そのために残りの4割の人がプロテクトされて感染が下火になるということは、おそらく期待できないほど、したたかなウイルスです。もちろんワクチンを打って、接種率が上がれば重症化の人も減ってくるので、医療への負荷はだんだんと軽減されてくると思います。ただ、ワクチンが6~7割ほど接種できたといっても、実はそれで感染が完全に防げるということではないので、そこは両方の面をしっかり理解しておく必要があると思います。

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「イギリスは社会実験のようになっていますが、うまくいくと思いますか」

尾身会長
「日本においては、いろんな制限を緩めていくのはもう少し慎重に緩やかにやったほうがいいと思います。(イギリスは)かなりリスキーなやり方だと私自身は思っています」

落合さん
「例えばワクチンを打った人にパスポートのようなものを渡してオリンピック・パラリンピックや各種競技場などにワクチンを打った人だけ入れるようにするという考え方はどうですか」

尾身会長
「それも非常に大事な考え方だと思います。ただ、今はまだワクチンを打っている人が少ないですよね。また、ワクチンを打とうと思っても打てない人もいる。このことは、ワクチンが希望者には打てたという段階に来たら、いろんな意見を少しずつ皆でどんなふうにしたらいいかコンセンサスを作っていったらいいんじゃないかと思います」

(7月20日『news zero』より)

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