「最後の砦」ECMO3倍に急増、過去最多
全国の新型コロナウイルス新規感染者は24日、火曜日で過去最多でした。重症者の「最後の砦」とされるECMO(人工心肺装置)装着者は急増し、1か月前と比べて約3倍に。都内の病院では、若者に導入するケースも増えているといいます。
■自宅療養“悪化”死者も
24日、東京都立多摩総合医療センターでは、重症患者の「最後の砦」とも言われる、人工肺「ECMO(エクモ)」を使った治療が行われていました。
4人の患者に導入していますが、病院のECMOセンター・清水敬樹部長は「ECMOの治療が終わって、そうしたらまた次の患者さんを入れる(状況)」と話します。ECMOを必要とする患者が途絶えないといいます。
日本ECMOnetによると、全国のECMO装着患者は、1か月前の7月23日に44人でしたが、8月23日には119人と、約3倍になり、連日、過去最多を更新しています。
佐藤梨那アナウンサー
「100人を超えるECMO導入患者がいる状況をどう見ますか?」
清水部長
「われわれが想定していなかった状況です。コロナが始まっての最初の1年間で、日本での導入は600名なんです。この1~2週間で(約)120名というのはもう、ちょっと信じられないような数と言わざるを得ないと思っています」
さらに、患者には変化があるといいます。
清水部長
「従来は高齢者といいますか、50~60代の方が非常に多かった。20代という方も、今は珍しくないんですね。このような年代の方にECMOを導入するのは、これまで想定していなかった」
■都の担当者「若者も重症化」
重症化について24日夜、東京・渋谷で若者に聞きました。
――感染後に重症化すると思いますか?
営業職(23)
「僕は正直しないのかなと思ってます。若いからならないだろうって」
大学生(23)
「自分も正直しないかなと思っちゃってます」
ワクチンを2回接種した就活生(20代)
「(重症化)すると思います。(ワクチンを打ったから)『かからないや、いいや』じゃなくて、『かかってしまったらどうしよう』と考えることが大事だなと思います」
24日に都内で確認された感染者は4220人で、1週間前の17日から157人減っています。重症者は23日より4人減って268人。9人の方の死亡が確認されています。
都の担当者は「若い人でも重症化、死亡する人もいるので、我が事として捉えてほしい」と注意を呼びかけます。