京大病院が赤いメッセージ「医療の危機」
「災害レベルに達した」――新型コロナウイルスの重症患者を受け入れる京都大学病院は23日、赤いメッセージで呼びかけました。その6日前は黄色でしたが、「医療の逼迫」から「医療の危機」に。自分や家族、大事な人を守る行動に協力をと思いを込めたといいます。
■京都13病院メッセージで訴え「医療の危機」京大病院は赤い警告
8月20日、京都府は再び緊急事態宣言が適用されました。その3日後、赤いメッセージが出されました。「自宅療養者のうち、死亡される事案が発生しかねない災害レベルに達しています」と警告しています。
メッセージは、京都大学病院や京都府立医科大学病院など新型コロナの重症患者を受け入れている京都13病院が、連名で出したものです。
「すでに救急患者を受けられない状況が多発しており、脳卒中や循環器病をはじめとする救急医療やがん治療などはかなり制限を受け、かかりつけ患者が急変した場合であっても必ずしも入院できない事態とまでなっている」と、医療危機的状況を訴えています。
京都大学病院が出したこの赤いメッセージについて、SNS上では、「医師の本気がひしひしと伝わってくる」「異常を訴えている」などの声があがっています。
■黄色から赤へ「自分を守り家族や大事な人を守る行動にご協力を」
実は、6日前の17日のメッセージは黄色でした。当時は「医療が逼迫」と呼びかけていましたが、「災害レベルに達した」と表現を変え、さらに色を赤に変えたのです。
黄色から赤に変えたことについて京都大学病院は、「1週間で京都府内の重症病床使用率にさらなる上昇が起きていることと、重症の方が回復した際や軽症の方が悪化した際に使用する中等症病床も非常にひっ迫しているため、より強いメッセージを発出した」「危機感を感じていただくとともに、医療崩壊を防ぐもしくは遅らせるためにも、是非自分を守り、家族や大事な人を守る行動にご協力をいただければという思いを込めました」としています。
赤いメッセージでは、複数名での飲食などの回避や、デパートやスーパー等での買い物のような日常の外出での感染の発症もみられるとして、不要不急の外出を控えるよう呼びかけています。
京都では24日、1日の感染者数としては過去最多の新たに587人の感染が確認されています。
写真:京都大学医学部付属病院のホームページより