担当記者に聞く「眞子さま年内結婚へ」背景
今月1日、秋篠宮ご夫妻の長女・眞子さまが、小室圭さんと年内に婚姻届を出し、結婚される方向で調整が進められていることが分かりました。
一般の結納にあたる「納采の儀」や、天皇皇后両陛下にお別れの挨拶をする「朝見の儀」など、結婚に伴う儀式や結婚式は行われない見通しで、これらが行われなければ、戦後の皇室として初めてとなります。
また、女性皇族が皇室を離れる際に支給される「一時金」について、眞子さまは辞退する意向を示されているということで、結婚後は、アメリカで小室さんと生活される見通しです。
このニュースの背景や今後の見通しについて、宮内庁担当記者の笛吹雅子解説委員に聞きました。
■なぜこのタイミングで明らかに?
Q.年内に結婚される方向とのことですが、なぜこのタイミングで明らかになったんでしょうか?
新しい動きがあった訳ではありません。ご結婚は、今年の秋、眞子さまの30歳のお誕生日をひとつのメドとして、年内にあるのではないかという感触が強まっていく中で、儀式を行うか行わないかが焦点でした。それを確かな情報とした社が書き、各社続いたという流れだと思っています。
その前提として、小室さんが卒業してニューヨーク州の司法試験を受け、生活基盤のメドがついたという事が一番大きいと思います。側近幹部は、眞子さまが「結婚は生きていくために必要な選択」というお気持ちの文書を出された後から、「関係の皆様で話し合い、しかるべき時にお知らせする」と言い続けていました。
その後の秋篠宮さまの「結婚を認める」という会見があり、結婚に向かっているという感触は続いていました。
Q.結婚延期となった理由でもある「お金の問題」がまだ解決していない中で明らかになったと思いますが、眞子さま側、宮内庁の内部ではどういう判断があったんでしょうか?
眞子さまや小室さん側の判断は分かりませんし、推測になりますが、解決するためにアプローチし、やれることはやってきたというお考えなのではないでしょうか。
元婚約者側は母の佳代さんと会って話したい、一方、小室さん側はそれを良しとしていないと、平行線で、良い結果をうんでいるとは言いがたいけれど、努力はしたという思いなのかと。あくまで推測ですが。
ご結婚の話は、コロナもあり延び続けた中で、小室さん側の様々な話が週刊誌などで報じられ、小室さんが公表した文書には厳しい声が相次ぎました。お二人の気持ちが固い以上、これ以上延ばしても良い結果を生まないのではないか、さらに状況は難しくなるのではないかと話す宮内庁関係者はいました。
■なぜ「儀式なし」など異例の内容に?
Q.「一時金辞退」「結婚に伴う儀式などが行われない」といった異例の内容について、どういった意図があるんでしょうか?
それでも結婚したいという、お二人の固い意志のあらわれだと思います。
一時金については、1億数千万円が支給されることへの国民感情に配慮されてのお気持ちだと思いますが、皇室経済法で定められ、皇室経済会議で決められるものですので、辞退したいと言ってそうなるのか、法律の解釈をよく吟味する必要があります。どういう形になるかは、まだはっきりしていません。
儀式については、皇室は「続けること」を大切に行ってきたもので、「簡単にあきらめたくない」と話していた宮内庁幹部もいた中で、秋篠宮さまや眞子さまはよほどの覚悟だったのだろうと思いますし、宮内庁の中にはご当人の意思であるからという寂しさと、もっと何とか出来る方法はあったのだろうかというむなしさの入りまじった複雑な空気を感じます。
■「結婚会見」など今後の見通しは?
Q.今後、結婚に向けてどういうスケジュールで進んでいくとみていますか?結婚会見などは行われる見通しでしょうか?
A.新型コロナウイルスの状況も勘案しながらになると思いますが、11月30日の秋篠宮さまの誕生日にあたっては記者会見があり、家長としてお考えやお気持ちを国民に向かって話される大切な機会となります。ここまでには結論が出ているのではないでしょうか。
また、翌12月1日には天皇皇后両陛下の長女の愛子さまが二十歳の成人になられるという皇室にとって大切な日を迎えます。新型コロナウイルスの影響に配慮されている中、お祝い行事がどうなるかはわかりませんが、この日までには決着がついていると言いますか、大きな影響が出ないような形になるのだろうと思います。
やはり眞子さま30歳誕生日の10月23日は注目です。記者会見については、秋篠宮さまが去年の会見で、「経緯を含めてきちんと話すことが大事」と話されているので、この発言は重く、「日本国内でお二人で会見をされると思う」と関係者は話しています。
Q.眞子さま、小室さんにとってアメリカで生活することのメリットはあるのでしょうか?一方で警備費などもかかるということで経済的な心配もありますが、このあたりはどうでしょうか?
A.眞子さまは学芸員の資格をお持ちですし、英語も堪能ですから、専門を生かしながら博物館などで仕事をされることも出来ると思います。警備については、民間人になられ、自分の意思で海外に渡ることになれば、アメリカの協力を得て公的な警備体制を受けることは考えにくいですが、一方で日本の元プリンセスだと注目されることがないとも言えず、心配のひとつだと思います。
■「皇室のあり方」にも大きな課題
Q.ここまで取材してきて、年内の結婚となったことはどう感じていますか?
A.お気持ちをかなえられたお祝いごとではあるのですが、皇室としてのお祝いの儀式をせずに離れられることに複雑な思いでいます。もしかしたら最小限の儀式は行われるのではないかと、心のどこかでは思っていました。
皇室はこれまで、伝統を守ること、国民に寄り添うことを大切にしてきました。時代により違う形はあれど、変わらないものはあると続けてきた訳で、それが「がらがらと崩れてしまうのではないか」と話す幹部もいました。一時金やお金の使われ方を含め、今後の皇室のあり方が問われていく…眞子さまのご結婚は一個人の話にとどまらず、大きな課題を投じられたと感じています。
上皇さまは、退位前に「皇室がいかに伝統を現代に生かし、いきいきとして社会に内在し、人々の期待に応えていくか」という表現を使われているのですが、皇室がどういう存在で、どうなっていくのが良いか、しっかりと考えていく必要を感じています。
Q.婚約の表明から4年、「小室家のお金の問題」から始まり、ここまでいろいろなことがあったと思いますが、これでようやく決着ということなのでしょうか?今後の懸念材料はどういったことでしょうか?
A.眞子さまは、これまで女性皇族として、国際親善など大切なお仕事を責任感を持ってされてきたと思います。どうぞお幸せにと思う一方で、ご結婚をめぐる厳しい目が今後の皇室のあり方に影響しないか、その後にも注目していかねばならないと思っています。