加速する接種 一方「後遺症で来院」増加も
17日、東京で新たに782人の新型コロナウイルスの感染が確認されました。早くも第6波への懸念が指摘される中、連休中には大型の音楽フェスが行われる予定で地元からは困惑の声があがっています。
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千葉市で18日、19日、音楽フェス、スーパーソニックが開かれる予定です。次々と車が会場に向かい、会場の入り口では、照明を取り付ける様子もみられました。
感染の急拡大を理由に市は延期の要請などをしていましたが、予定通り開催されることになりました。そのため、市の後援は取り消された状態での開催となります。
フェス会場がある地元の人
「やるのであれば(感染対策を)徹底して、やっていただければ問題はないと思います」
ただ、不安の声も多く─。
フェス会場がある地元の人
「愛知のもあったので、ちょっと心配だなとは思う」
不安に感じる理由として、あげられたのは、先月、愛知県で行われた“密フェス”です。会場ではマスク着用が徹底されず、酒も提供もされていて、これまでに45人が感染するクラスターとなっているのです。
スーパーソニックの主催者側は、酒の提供や持ち込みを禁止し、アプリで、当日の体温や体調を確認するなど感染対策は徹底するとしています。しかし、観客については、1日1万人程度の見込みで、市の要望した5000人のおよそ倍の人数での開催になるということです。
フェス会場がある地元の人
「不安はありますけど、感染対策を徹底するってところをきちんとできたっていうところも、みてみたいなってところですね」
その千葉では17日、新たに246人の感染が確認されました。また、東京の新規の感染者は782人と、26日連続で前の週の同じ曜日を下回っています。
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こうした中、17日、厚生労働省では注目の会議が開かれました。
「本日は交互接種や3回目の接種等について、(専門家に)できれば本日日程の方向性をお示しいただけたらと考えております」
1回目のワクチンで重篤な副反応が出た人などに種類が異なるワクチンの接種が認められたほか、厚労省は、3回目のワクチン接種いわゆる「ブースター接種」についての案を示しました。案では2回目接種からおおむね8か月以上後とするとしていて、早急に結論を出すとしています。
ワクチンを巡っては新たな動きも出ています。港区にあるホテルでは17日夜から─。
港区ワクチン接種担当・野上宏課長
「こちらが、週末ミッドナイト接種の会場となります」
毎週金曜日の午後7時から午前0時まで接種ができる「週末ミッドナイト接種」を開始しました。
港区ワクチン接種担当・野上宏課長
「(椅子に)座ってもらって、そこにワゴンで看護師さんが注射をもって打ちにいく、というスタイルをとっています」
対象となるのは、18歳以上の港区民で、17日は400人の接種枠が確保されているということです。
港区ワクチン接種担当・野上宏課長
「働き盛りの世代の中でも、なかなか自分の仕事の予定が組みづらい人たちが打ちやすくなるんじゃないかと」
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ワクチン接種が加速し、感染者数の減少もみられる一方、いま、新型コロナ専門の病院として入院患者を受け入れている埼玉県の病院では、ある事態への対応に追われているといいます。
医師
「残ってる症状が頭痛とだるさと」
患者
「日によってめまい」
後遺症で来院する患者が、最近、増加しているというのです。
公平誠院長
「後遺症に関する問い合わせ、そして受診は確実に増えてきています」
倦怠(けんたい)感や味覚、嗅覚障害など症状は多様で、通勤や通学時に体の不調を感じ、病院に訪れるケースが多いといいます。17日も夕方時点で、22人以上を診ているといいますが─。
公平誠院長
「(感染者の)波のピークがきてから1か月2か月遅れて、後遺症患者さんの波のようなものが来るんですよ」
今後も患者の増加が予想されていて、病院はさらなる診療体制強化に取り組んでいくとしています。