宣言下の3連休 人出増加でリバウンド懸念
3連休の最終日(9月20日)は広く秋晴れとなりました。緊急事態宣言が続く東京では観光地や繁華街で人出が増加しています。感染者のリバウンドが懸念される中、年中無休のクリニックでは医療スタッフが対応に追われていました。
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大自然の中に現れた人だかり。頂上を目指す登山者たちでケーブルカー乗り場付近に長い列ができていました。
記者
「高尾山のケーブルカー乗り場に来ていますが、たくさんの人がいます」
秋晴れとなった3連休最終日、多くの人が訪れたのは、緊急事態宣言下の東京の観光名所「高尾山」です。
ワクチンを2回接種した都民
「コロナでちょっと心配だったんですけど、この子がずっと外出できていなくて、自然というか山の方に行きたいと言ってたから」
ワクチンを2回接種した都民
「ワクチン2回打ってるし、大丈夫かなと」
その東京では20日、新たに302人の感染を確認。感染者が300人台となるのは7月5日以来およそ2か月半ぶりです。
同じく宣言下の神奈川県では、夏に戻ったような光景がありました。
ワクチン接種した神奈川県民
「すごく天気がよくなったので、ちょっとぐらいでかけたいなというのが正直なところ」
Q.ワクチン打たれました?
ワクチン接種した神奈川県民
「はい」
ワクチン接種をきっかけに連休の外出を決めたという声も多く聞かれる中、3連休は家で過ごそうという人たちもいました。
記者
「1リットルで99円です。こちらの飲み物も1本22円で売られています」
商品の全てが半額以下、神奈川県にある激安スーパーです。
客
「これ22円なんだって。なかなかこの値段ではないので、まだまだマスク必要とするんで」
パッケージが傷付いた商品など、いわゆる“わけあり商品”を主に取り扱っています。
最近ではこんな傾向も…
ストアマネジャー 荒木亮太郎さん
「自宅待機に備えて備蓄されるお客さまが多くいらっしゃいますね」
自宅療養となった時に備え、ティッシュなど生活必需品をまとめ買いする人が増えているということです。
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連休を使い、新型コロナに備える動きは他にもありました。
千葉市内にある年中無休のクリニック、東京ビジネスクリニック・ファミリアペリエ千葉では、待合室はほぼ満席の状態で、外にまで列ができるほどでした。
目的はワクチン接種です。この連休中は枠を増やしていて、1日330人がワクチンを接種したということです。
一方、医師が懸念していたのは、シルバーウイーク明けの“感染再拡大”の兆しです。
東京ビジネスクリニック・ペリエ千葉エキナカ 柳本蔵人副院長
「コロナの感染を起こして症状が出るのは、シルバーウイークのあと、増えることが懸念されるので」
連休中も発熱外来で患者を受け入れながら、リモートでの診察も行っているクリニック、東京ビジネスクリニック・ペリエ千葉エキナカ。
「抗原(検査)が陽性となっているので、症状と併せて新型コロナ感染症という診断になっています」
ワクチンを1回接種済みの20代の女性が陽性と診断されました。
19日は患者70人ほどのうち、15人が陽性と診断されるなど、このクリニックでは陽性率が上がっているといいます。
東京ビジネスクリニック・ペリエ千葉エキナカ 柳本蔵人副院長
「シルバーウイークで人流が増えることの影響も重なって、陽性者数も増えてくる可能性があるかなと思います。可能な限りワクチン接種、打てる方は打っていくことが大切と思っています」
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ワクチン接種後を模索する動きもでています。
3連休中開催された「なら国際映画祭」です。
座席の間隔をあけるなど、業界団体が定める感染対策を実施。そして今回、初めて行った取り組みが、ワクチン接種証明か、検査での陰性証明を受付で提出すると500円が返金される“ワクチン・検査割引”です。
ワクチン接種証明を持参したイベントの参加者
「お昼代がそのまま浮いた感じでうれしいです」
芸術の力で次世代を担う子どもたちを応援することが目的のひとつだという映画祭。
NPO法人なら国際映画祭・実行委員長 芹井祐文さん
「映画産業においても少し衰退する中で、現在やっている感染症対策からさらにブラッシュアップして、今後何ができるかということも考えながら開催していく」
ここで得た教訓を映画界を担う若者たちに伝えることも重要だと考えているということです。