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都“時短解除”へ 英は感染再拡大…理由は

2021年10月21日 19:48
都“時短解除”へ 英は感染再拡大…理由は

新型コロナウイルスの感染者数が減少傾向にある中で、飲食店に対する時短要請の解除など、さらなる緩和の動きも出てきました。一方で規制を全面的に解除したイギリスでは、感染が再拡大しています。

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東京都では20日、新たに41人の感染が確認され、4日連続で50人を下回りました。

21日に開かれた会議では、東京都の警戒レベルについて話し合われ、感染状況については上から3番目の「改善傾向にあるが注意必要」で維持されましたが、医療提供体制については、上から2番目の「通常の医療が一部制限」というレベルから、3番目の「通常の医療との両立が可能」に引き下げられました。このレベルになるのは去年7月に警戒レベルが設定されて以来初めてです。

■1都3県“時短解除”へ 今後の要請は?

こうした中、東京など1都3県では、時短要請の解除に向けた動きも出ています。

1都3県では緊急事態宣言が解除された今月1日以降も「リバウンド防止措置期間」として、飲食店への時短要請を継続してきました。

具体的には、都や県の「認証を受けた店」は営業は午後9時まで、酒類の提供は午後8時まで、1組4人以内で入店するよう求める、などとなっています。一方、「認証を受けていない店」は、営業は午後8時までとし、酒類の提供は自粛するよう求められています。

このリバウンド防止措置期間は今月24日で終わりますが、その後、どうなるか対応が明らかになってきました。

まず、営業時間については1都3県すべてで「認証」されているかどうかにかかわらず、制限が解除される方向です。次に酒類の提供については、東京は、認証店では時間の制限なく可能とする方向ですが、そのほかの店では午後9時までの提供となる方向です。そのほかの3県は、認証店かどうかを問わず、提供可能となります。

人数制限について、東京都は、認証を受けていない店は1組4人以内とするよう、店に協力を依頼する方向です。神奈川県は、店に対する人数制限の要請はありませんが、1組4人以内などの利用が呼びかけられます。千葉と埼玉は、人数制限はないということです。

飲食店からは、「ようやくスタートラインに立てる」といった声もあがりました。

さらに、飲食店以外の緩和の動きも、明らかになっています。

東京都はこれまで、映画館や百貨店などの施設に時短営業の協力を依頼してきましたが、今月25日以降は、これも解除する方向で調整しているということです。

こうした都の対応は、21日夕方、正式に決定する方針です。

■“全面解除”の英は感染再拡大 規制復活どうなる?

日本国内でも徐々に日常を取り戻す動きが出てきましたが、ひと足早く制限を全面解除したイギリスでは、今、冬の到来を前に感染が再び拡大しています。

イギリスといえば、世界で最も早くワクチン接種を始めた国の1つですが、現在の接種率はおよそ66.6%と、全人口の7割に届かないところで頭打ちとなっています。

感染者数の推移を、1週間の感染者数の合計で見てみると、ピークだった今年1月上旬は1日あたり6万人近くにのぼっていましたが、その後、ワクチンの効果が表れ始めるとともに大幅に減少していきました。

そして、7月には人口の大部分を占めるイングランドで規制が全面的に解除されて、屋内でのマスク着用義務やバーやレストランでの人数制限などが撤廃されました。

解除直後にはいったん急増したものの、その後、やや落ち着いて推移していました。ただ、ここにきて再び増え始めていて、今月20日には1日あたり5万人に迫る勢いになっています。

イギリス政府は現時点では、まだ規制を復活させる段階にはないとしています。その理由として、感染者数は急増しているものの、ワクチン効果もあって重症者や死者数はそこまで増えていないということがあります。1日あたりの死者数は、今年1月のピーク時にはおよそ1400人でしたが、最近の感染再拡大では、1日の死者数が200人前後に抑えられています。

■感染再拡大なぜ?英は“独仏などよりマスク着用少ない”データも

そもそも、イギリスは日本と同じくらいワクチンが普及しているのに、なぜ感染が再拡大しているのでしょうか。理由はいくつか考えられます。

1.子どもの感染拡大

イングランドでは先月20日から、12歳~15歳への接種が始まりましたが、接種率は15%ほどにとどまっています。ちょうど9月から新学期が始まったこともあり、子どもの感染が増えていて、そこから大人に感染が広がっているとも指摘されています。

2.ワクチン効果減衰か

イギリスは去年12月に1回目の接種を始めたので、早い人だと最初の接種から10か月近く経ち、抗体が減ってきているとの指摘があります。このため、政府は、国民に追加接種を強く推奨しています。

3.早すぎた緩和・マスク着用なし

イギリスは他のヨーロッパ諸国と比べ、いち早く行動制限を全面的に解除し、夏には大勢の若者がナイトクラブなどに繰り出したり、大規模なスポーツイベントなども開かれたりしました。また、ある調査によると、マスクを着用する人はドイツ、フランス、スペインなどと比べ、はるかに少ないということです。

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日本がイギリスと決定的に違う点は、今でもほとんどの人が日常的にマスクを着用しているということです。こうした基本的な感染対策を続けながら、日常を取り戻していくことで、再拡大の防止につなげていきましょう。

(2021年10月21日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)