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暴行疑惑…幸手市議が自ら“状況”再現 「親しみ持ち首に手置いた」釈明

2023年12月6日 5:41
暴行疑惑…幸手市議が自ら“状況”再現 「親しみ持ち首に手置いた」釈明

埼玉・幸手市の藤沼貢市議(80)が、議場の中で職員の首をつかむなどの暴行を加え、ケガをさせたとみられています。5日、私たちの取材に「親しみを持ち、首に手を置いた。暴力の認識は全くない」と釈明しました。

    ◇

5日夜、取材に応じた幸手市議会の藤沼貢市議(80)。

藤沼貢市議
「一番いいのは私がやってみせればいいと思うんですけど、どうですか? こうやりましたというのを」

市の職員に暴力をふるったとされる渦中の人物は自ら、“当時の状況の再現”を申し出ると、職員に見立てた記者をしゃがませました。

藤沼貢市議
「『遅くまで悪かったな』というつもりで(手を)こう置きました、普通のこう。ここをつまんだんです。親指とこっちの指でここマッサージのようなつもりで、『遅くまでお疲れ』って、自分の気持ちの中ではそんな感じです」

「(職員が)『やめてください』とか『いい加減にしてくださいよ』とか言った。なんでこれでそこまでこの人言うのかな、という感じがしました」

幸手市などによると、藤沼市議は1日、市議会の休憩中、議場の中で市の男性職員の首をつかむなどの暴行を加えたということです。職員は全治3週間と診断され、首にギプスをつけた状態だといいます。

5日昼間、記者が藤沼市議を訪ねると、取材に応じました。

藤沼貢市議
「申し訳ないですよ。私が原因でケガをしたとしたら、私が謝罪するしかない。親しみを感じてやってたと。本当はやるべきじゃなかったですよ。ちょっと触っていいですか?」

この時も、本人が記者を相手に“再現”。

藤沼貢市議
「『悪かったな、遅くなっちゃってな』って思いで、言ったかどうかはわからないですけど、やった。その時に手がここへこう。マッサージやるように1回ぐーっといった、これが現実」

首に手を置いただけで、暴力の認識はなかったと主張しました。

しかし、その後の5日午後5時ごろに会見した市によると、その状況はだいぶ違うものでした。

藤沼貢市議
「(藤沼市議が)うなり声を上げながら、手が出てきたので、(職員が)避けようと立ち上がろうとしたところ、首のところに手が入ってそのまま握りしめたと」

    ◇

80歳の藤沼市議は元・市の職員で、当選7回。かつて議長も務めた経験があります。職員との間に何があったのでしょうか?

藤沼市議は自宅の敷地に農地法違反の疑いがあるとして議会で追及を受けていて、その件で職員が行う答弁をめぐり、トラブルになったとみられています。

――言い争いはしていない?

藤沼貢市議
「その時はね、議場ではね」

――これまでは?

藤沼貢市議
「これまでは『おかしいだろそれは』というのは言っていますよ。守ることも、自分のこととしてありますから」

市の関係者によると、職員はこれまでにも藤沼市議から暴言などのパワハラ行為を受けたとして市に相談。中には、「100万出せば人を殺してくれる人がいるのを知っているか」と脅しともとれる発言もあったといいます。

実際に発言したのか本人に聞きました。

藤沼貢市議
「わかんねえけど、私は結構、冗談言いますから。100万円を…そういう話知らないですよ。『100万円払えば人殺せるよ』って話、知らないですよ、私。私は言った記憶はないですよ、そういうの、人殺せる話なんて。(こんな話が出てきて)いやあ怖いですね」

発言を否定した上で、5日夜には次のように主張しました。

藤沼貢市議
「やったこと、やられたことは、それが原因だと医師が判断するなら、それはそれで認めますから。それはあったということで、謝罪してとしか言いようがない」

――率直なお気持ちは?

藤沼貢市議
「率直なお気持ちとしては、あんまり率直な気持ちは言いたくないですね」

藤沼市議は逆に職員から足を蹴られたとも主張しています。

    ◇

議場での出来事に、現在の枝久保喜八郎議長は「決して許されるものではない。許されるものではないというか、言語道断という感じに近い」と述べました。

市民からは、次のような声が上がっています。

幸手市民(30代)
「ちょっと普通じゃ考えられないので、ちょっとどうなのかなと思いますね」

幸手市民(20代)
「幸手市を代表して、いろいろ考えていかなきゃいけない中で、市民としてもちょっと恥ずかしいことなのかなって」

職員は、警察に被害届を提出。受理されたということです。

(12月5日放送『news zero』より)