3回目接種いつから?種類は?詳しく解説
ワクチンの3回目接種について、いつからなのか、またその種類や誰が対象なのかなど、方針が決まりました。すでに自治体には3回目のワクチンが届き始めています。
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■3回目接種 “前倒し”や“交互接種”も可能に
16日、練馬区の施設に3回目接種に向けたファイザー製のワクチンが届き、2340回分が冷凍庫に保管されました。練馬区では、まずは医療従事者を対象に、今月25日から予約を開始し、来月2日から接種を始める予定です。
ワクチンの配送は全国の自治体に向けて、15日から始まっていて、12月と来年1月分の計およそ412万回分の配送となっています。
15日、厚労省の専門家会議は、3回目接種について、来月1日から18歳以上を対象に実施することを了承しました。
接種する時期については、2回目の接種から原則おおむね8か月以上としていますが、地域の感染状況を踏まえて、自治体の判断で「6か月以上に前倒しできる」ということになっています。例えば今後、感染が拡大してきたり、クラスターが発生したりした場合に、自治体の判断で早めに打てるようにするということです。
ただ、厚労省は接種時期を「原則8か月以上」としているため、配送も8か月を念頭にしています。
ワクチンの種類については、2回目までと異なるワクチンを打つ「交互接種」についても了承され、現時点ではファイザー製を使うことになりました。モデルナ製については、16日現在、審議中だということです。
■2回接種後の“予防効果”6か月後に約5分の1に?…3回目の時期は
ワクチンの予防効果については、15日、厚労省のワクチン分科会で、海外の分析が報告されています。
ファイザー製ワクチンの「感染予防効果」は、2回接種してから1か月で77.5%だったのが、6か月後には17.3%になり、おおむね5分の1に減ることになります。
「重症化や死亡の予防効果」については、6か月後まで88.9%維持されますが、7か月以降は55.6%ほどに低下するといいます。
感染拡大に備えて3回目のワクチン接種の準備が進められているわけですが、実際にどのようなスケジュールになるのでしょうか。
ワクチン接種は医療従事者からスタートしましたが、2回目の接種を4月に完了した人は、8か月あけるとすると、来月から3回目の接種ができることになります。
また、65歳以上の高齢者は5月に、64歳以下は7月に、接種が進んだ自治体が多くありました。そのため、3回目の接種が可能となる時期は、65歳以上は来年1月、64歳以下は来年3月となります。
これが、感染状況によって自治体が前倒しする判断をして「6か月」あけるということになると、医療従事者はもうすでに接種可能となり、65歳以上は11月、64歳以下は来年1月に接種できることになります。
■「修正きかない…」接種案内が印刷済みの自治体からは困惑の声も
一方で、自治体からは困惑の声もあがっています。東京・清瀬市役所で、ワクチン担当者が見せてくれたのは、すでに印刷済みの3回目接種の案内です。
清瀬市 ワクチン担当者
「年内に発送を予定している約2500人分の接種券の同封物になります。すでに『8か月以上』という印刷をしていますので、これはもう修正はきかないというものです」
8か月後に接種を受けるという全体のスケジュールの中で準備を進めていたため、できる限り対応したいと思っているものの、どこまでできるか、少し不安が残るといいます。
こうした困惑の声は、ほかの自治体でも聞かれました。東京・港区は「8か月を前提に接種券や会場、ワクチンの打ち手となる医療従事者の準備を進めてきた。区として、早めようと努力はするが、限界がある」とのことです。
板橋区では、「集団接種会場を2月中旬以降に運用開始する予定で、2か月前倒しは難しい」ということです。
八王子市では、保健所の担当者によると、「なかなかすぐに対応できない。しっかり市民に周知したいが、通知がぎりぎりになってしまうと難しい」ということで、とにかく「最大限努力したい」、という声が聞かれました。
堀内ワクチン担当大臣は16日の会見で、「“6か月”は地域の感染状況等を踏まえた例外的な取り扱い。現在の状況では自治体は“6か月”を前提に準備する必要はない」と話し、改めて、「接種間隔は2回目接種から原則8か月以上とする」と強調しています。
■3回目接種は“来年9月末まで” 2回目未完了の人は注意が必要
ワクチンの接種状況をみてみると、2回目の接種を終えた人は、20代が69.1%、30代が71.9%です。
ワクチンを打っていない30%の人の中には、2回目を先延ばしにしている人や、打ちたい気持ちはあるけどまだ打てていない人がいると思われますが、
実は、「予防接種法」の省令では、3回目接種を受けられる期間は来年の9月末までとなっています。
逆算して8か月以上の間隔をあけるとなると、来年1月末までに2回目の接種を終えていないといけないということになるため、注意が必要です。
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厚労省は17日、自治体に向けて説明会を開く予定です。これから3回目のワクチン接種スケジュールが決まっていくことになりますが、自分や家族のワクチンのスケジュールを自分で知っておくことが、より重要になってきます。
(11月16日午後4時ごろ放送 news every.「ナゼナニっ?」より)