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今夜の月食は「ほぼ皆既」色の変化に注目

2021年11月19日 12:12
今夜の月食は「ほぼ皆既」色の変化に注目

満月の19日夜、月の一部が地球の影に入り、月が欠けたように見える部分月食が起こります。今回の見どころは、月が欠ける割合が約98%だということ。晴れているところでは、「ほぼ皆既」な月食が見られそうです。


■月食はいつ始まる?

19日の夕方から夜の始めごろにかけて起こる部分月食。日本で見られる月食は、5月の皆既月食に続き今年2度目です。

国立天文台によりますと、月食の時間帯は全国で同じで、月が欠け始めるのは午後4時18分頃。北海道や東北地方北部では月の出が早いため、月食の始まりから見ることができますが、東北地方南部から沖縄では、月はすでに欠けた状態で東の空を昇ってきます(月出帯食)。


■最も欠けるのは午後6時過ぎ

月の97.8%が欠ける「食の最大」を迎えるのが、午後6時2分過ぎ。このとき月は札幌では19.7度、東京では17.3度、那覇では5.0度の高さまで昇っています。

その後、高度を上げながら欠けていた部分が徐々に小さくなっていき、午後7時47分頃に満月の姿になります。


■部分月食と皆既月食

太陽、地球、月が一直線に並んだとき、太陽によって作られる地球の影の中を月が通過することで起きる現象を月食と呼びます。地球の影の中に月全体(100%)がすっぽり入ると皆既月食、一部が入ると部分月食となります。

部分月食では月が欠けているように見えるため、皆既月食では完全に月が見えなくなるか、というとそうではありません。

皆既月食では、月は完全に地球の影に入るものの、太陽の光が地球の大気を通るときに曲げられ、大気を通過しやすい赤い光が月まで届くため、月が赤黒く「赤銅色」に見えるのが特徴です。


■今回は「ほぼ皆既月食」赤銅色に見える?

今回の部分月食は、月の約98%が地球の影の中に入る皆既に近い部分月食。皆既月食のように、赤銅色の月が見られるのでしょうか?

国立天文台は、地球の大気の状態によって月に届く光の量が変わること、見る人によって色の変化の感じ方に差があることを理由に、「赤銅色に見えるかは、はっきりとはわからない」としています。

埼玉県の川口市立科学館の天文担当者は、「ここまで深い(皆既に近い)部分月食は珍しい。赤銅色になるか、月の色の変化に注目してほしい」と話しています。


■観測のポイントは

観測に適した場所は、東の空が開けているところ。月食の前半は月の高度が低いため、東側に視界を遮る建物などがある場所は避けた方が良さそうです。

肉眼でももちろん見られますが、双眼鏡や望遠鏡を使えば、月が欠けている様子や色の変化を、より鮮明に観測することができます。

■気になる夕方~夜の空模様は

今年5月の皆既月食は、雨や曇りのため、はっきり見ることができない場所も多くありました。

月食の時間帯の天気(午前7時時点)は、北日本を寒冷前線が通過するため、北海道や東北日本海側を中心に雨や雷雨となりそうですが、九州から東北南部にかけては高気圧に覆われ、広い範囲で晴れるでしょう。

関東では午後、すこし雲が出る時間がありますが、夕方にかけ再び晴れてくる予想です。

日中の気温は全国的に平年を上回り、暖かく感じられるところが多いですが、夕方以降は関東から北では急に冷えてきますので、屋外で観測する場合は防寒対策をお忘れなく。

「ほぼ皆既」な月食の時間は午後6時頃。東の空に、いつもと違う赤銅色に輝く月が見られるかもしれません。