北朝鮮による拉致被害者、田口八重子さんの兄で家族会の代表を務めてきた飯塚繁雄さんが１８日未明、８３歳で亡くなりました。

拉致被害者、田口八重子さんの兄、飯塚繁雄さん（８３）。１８日未明、入院先の病院で亡くなりました。

妹・八重子さんが２人の子どもを日本に残し北朝鮮に拉致されたのは１９７８年。繁雄さんは突然行方不明となった妹に代わり、１歳だった八重子さんの長男・耕一郎さんを我が子として育ててきました。

北朝鮮に拉致されたとわかってからは、妹との再会を信じて全力で救出活動を続けてきました。２００７年には、横田めぐみさんの父、滋さんから引き継ぎ、家族会の代表に就任。そして、２００９年には八重子さんが日本語を教えていた北朝鮮の金賢姫元工作員と面会。

妹を思い、常に持ち歩いていたのは――「この（妹の）写真を…これ原本ですけど。顔を見るとですね。じっと見られないというか、なんか訴えているような顔つきに思えてお兄ちゃん早く助けてよというような感じの印象を受けて仕方がないんです」

“絶対に妹を助け出す”その一心で１４年間家族会代表として精力的に活動してきました。

飯塚繁雄さん「なんとしてもこの問題を解決していかなきゃならない」

しかし、ここ数年は入退院などを繰り返し、今月１１日家族会代表を退任。そして１８日午前２時頃、妹との再会が果たせないまま亡くなりました。

横田早紀江さん「悔しくてしょうがないんです。うちの子のことだけじゃなくて。怒りに近いものを持っていますから、『何をしているんですか』って言いたいですね。政府に対して」

岸田首相は――「心から申し訳ない思いでいっぱいです。一刻の猶予も許されない現実を強く感じます」