上皇ご夫妻「卒寿」祝う音楽会 天皇ご一家も出席
10日、上皇さまと上皇后さまの「卒寿」、90歳をお祝いする音楽会が開かれました。天皇ご一家や皇族方が出席され、親しい音楽家らが集まりました。
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天皇皇后両陛下とともに姿をみせられた、上皇ご夫妻。
10日午後、ご夫妻の卒寿、90歳を祝う音楽会が開かれ、両陛下の長女・愛子さまや秋篠宮ご夫妻、二女・佳子さまも出席されました。
90歳で、記録が残る歴代天皇最高齢の上皇さま。上皇后さまも10月でおなじく90歳を迎えられます。
それを記念し、音楽会を主催したのは、ご夫妻の側近や宮内庁幹部たち。ご夫妻にゆかりのある音楽家が集まり、親しい人たちとのお祝いの会となりました。
先月3日には、上皇后さまの新型コロナウイルスへの感染が確認されましたが、今はご夫妻ともに普段通りの生活に戻り、規則正しく過ごされているということです。
先月23日の沖縄慰霊の日には、今年も、お住まいの仙洞御所で黙とうされたというご夫妻。この日、あるエピソードを側近に語られたといいます。
それは、1975年、お二人が初めて沖縄を訪問されたときのこと。沖縄が本土復帰をして3年、皇室に対して複雑な県民感情が残る中、最初に訪ねられた「ひめゆりの塔」では…火炎瓶が投げつけられました。
このときの訪問のことを、新しくお二人の担当となった側近に、語られたといいます。さらに、お二人が語られたのは、その後に訪ねた、ハンセン病患者の療養所でのできごと。
帰り際、入所者たちから旅の安全を願う沖縄民謡で見送られた時の感動を、上皇さまが沖縄の歌によみ、その後、上皇后さまが曲をつけられました。
「歌声の響」と題したその歌は、即位30年の記念式典で、沖縄出身の三浦大知さんがお二人の前で披露しました。上皇ご夫妻は、このときの思い出も側近に話されたということです。
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退位から5年あまり。ご夫妻は、今も国民に心を寄せながら、穏やかな日々を送られているということです。