この時期のクマの市街地への出没について専門家が分析 今すべき対策・対応は?
県内で相次ぐクマの市街地出没についてクマの研究者から県の専門職員に転身した近藤麻実さんは「被害を防ぐために情報を共有することが大切だと」訴えています。
市街地へのクマの出没 原因は去年の大量出没に起因か?
秋田県自然保護課 近藤麻実さん
「 さすがに土崎のいとくまで去年は来なかったにしても、近くの防風林のところまで来ていたとすれば目と鼻の先っていう感じにはなります」
相次ぐ市街地へのクマの出没について県自然保護課の近藤麻実さんは去年の大量出没によってクマの行動範囲がさらに拡大している可能性を指摘します。
近藤さん
「大量出没の年に一気にワーッと出て、普段ここまでは出ないんだけれども、ここまで出れた、あそこで何か食えたっていう足がかりをつけさせてしまう」「いつもここまで出入りはしないんだけれども、何かの拍子に行ける範囲になっちゃったっていうのが去年で、(今年は)また一段と広がったのかなというふうには思ってます」
去年「ここまで行ける」ということを経験してしまったクマ。
「クマが冬眠すれば出没が落ち着くのでは」という見方について近藤さんは・・・・
近藤さん
「やっぱり雪が降れば寝ると思っている方すごく多いんですけども、別に寒いから寝るとか雪が降ったから寝るっていうわけではないんですよね」
「食べるものがなければ早く寝て、エネルギー消費を押さえるという戦略をとります。食べるものがないから寝るというのが冬眠ですので、逆にどんぐりが豊富な年はある程度遅くまで起きていられる。食べるものがあるので」
いま私たちがすべきことは
「食べ物があれば冬眠しない」というクマの習性を踏まえて近藤さんは、目撃情報があった地域ではクマのエサとなり得る食べ物を外に放置しないことや、被害を防ぐため目撃情報を地域で共有して欲しいと訴えます。
秋田県自然保護課 近藤麻実さん
「今現にクマが出ているという現象を踏まえてできることをやるしかない」「家の周りの食べ物をきちんと管理するということと、扉はこまめに閉めるということ。もうひとつ付け足すとすれば痕跡を見たら必ず共有をするということですね。近所の人にも伝えてほしいですし、市町村には必ず伝えていただいて」