「徹底的に食べられてしまっている」 リンゴ園でクマの被害調査
クマによる農業被害が相次ぐ中、秋田県農業共済組合=ノーサイ秋田が被害調査を進めています。農家自身が掛け金を支払い災害などで被害を受けた際に損失を補填する農業共済。秋田市で行われたリンゴ園の調査に同行しました。園内のオリには2頭のクマがかかっていました。
クマによる農産物への被害を受けて調査を進めている秋田県農業共済組合=ノーサイ秋田。25日は職員が秋田市上新城にある広さ2.5ヘクタールのリンゴ園に出向き、収穫できるリンゴと加工用に回せるリンゴを数えました。
クマが枝を折りながらリンゴを食べた痕跡=クマ棚や、かじったリンゴ、それにクマの糞がいたるところで確認できました。
リポート「リンゴ園に仕掛けられていた罠2つあるんですけども、いずれにもクマがかかったということです。リンゴ園で捕獲されたクマ、これで6頭目だということです」
リンゴ園のオリに2頭のクマが入っていました。いずれも1メートルを超える大きさです。
仙台市の八木山動物公園によりますと、飼育しているオスの成獣は、秋になると1日あたり7キロのエサを食べるといいます。
りんご農家渡辺良雄さん「枝は引っ張るし 、ほどんど皆無に近い状態。早い段階からつがる出始めからずっと、中生、晩生と順繰りに食べてきているんですね。前にも獲ったことはあるんですけど、こんなに被害が大きいことはないですね」
秋田県農業共済組合果樹園芸課佐藤範和課長「果樹の園地を全県見て回っていても、これだけクマの糞が散乱しているのははじめて見たのでちょっとビックリしています。徹底的に食べられてしまっているという状況なので、いつもの年とは今年はちょっと違うのかなと思っています」
クマの被害防止に電気柵が効果があるとされていますが、費用面や後継者問題を背景に設置をためらう農家もいるといいます。
秋田県農業共済組合は、引き続き、クマ被害の実態把握を進め、共済金の支払いなど農家の救済に努めたいと話しています。