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躊躇なく押して「非常通報装置」 電車内での緊急事態に 痴漢や不審物でも押してOK 

2023年6月28日 5:58
躊躇なく押して「非常通報装置」 電車内での緊急事態に 痴漢や不審物でも押してOK 

2021年、走行中の電車内で人を切りつけるなどした2つの事件の初公判が27日、開かれました。いずれも鉄道の安全が問われる事件でしたが、もし電車内で非常事態に遭った場合、私たちにできることとは? ドア付近や車いすスペースなどに設置されている「非常通報装置」を躊躇なく押すことが大切です。

■乗務員と通話できる「非常通報装置」 躊躇なく押して

有働由美子キャスター
「京王線の事件が起きたとき、乗客は“窓から”避難し逃げていました。このときは電車のドアとホームのドアの位置がずれていたため、乗務員がドアを開けない判断をしていました。事件を受けて国交省は、ドアがずれている場合でも、両方のドアを開けて乗客を安全に誘導する方針にしました。では、私たちがいざこういう事態に直面したら、どう行動すればいいのでしょうか」

小野高弘・日本テレビ解説委員国際部デスク
「鉄道各社に聞いたところ、非常時には『非常通報装置』を躊躇なく押してくださいとのことです。ドア付近や車いすスペースなどに設置されています」

「押すと乗務員と通話できるようになるので、何があったかを伝え、隣の車両に逃げるなど、慌てずに身の安全を確保するのが大切だということです。刃物を持った人がいるなどの緊急事態はもちろん、痴漢を見かけた、体調が悪くなった、不審物を見かけた、といったときに押してください」

■押すと音が鳴る 緊急停止するかは鉄道各社による

有働キャスター
「躊躇なく押す、ということですが、落合さんだったら押せそうですか?」

落合陽一・筑波大学准教授(「news zero」パートナー)
「押したことはないですが、自分に危険が迫っていれば押すとは思います。しかし、体調悪い人を見たときに押すことができるかというと、それが直接の解決につながるかわからないので、目の前の人には対処するほうが先で、ボタンは押さなくなるかもしれません。そういうときに押したら、どうなるんですか?」

小野解説委員
「通報装置が押されたら『プー』や『ピピピピ』という音が鳴りますが、その場で列車を緊急停止させるか、あるいは最寄り駅まで走り続けるかといった対応は、鉄道各社に託されています」

「例えば小田急電鉄では、複数回、非常通報装置が押されたら『緊急事態』と判断し、周辺の列車を含めて、すぐに止めるということです。押したら即停車、というわけではないので、緊急の場合には、ためらわず押してくださいといっています」

■“非常用ドアコック”は乗務員の指示なしに開けない

有働キャスター
「緊急時にドアを手動で開けられる『非常用ドアコック』もありますが、これは使っていいのですか?」

小野解説委員
「鉄道各社に聞いたら、基本的には乗務員の指示なしに開けないでください、とのことです。独断で列車の外に逃げるのは周りの列車に接触する恐れもあるので、とにかく慌てず、乗務員の指示を聞くことが大事です」

   ◇

有働キャスター
「相次ぐ事件で私たちの警戒レベルも上げざるを得ません。もちろん使わずに済んでほしいのですが…。あすの朝は、いざという時のため『非常通報ボタン』の場所を、確認してみてください」

(6月27日放送『news zero』より)

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