街頭アンケートで? 住宅ローン詐欺の疑いで男3人逮捕 被害額は33億円以上か
「街頭アンケート」で集めた個人情報を悪用し、住宅ローン詐欺を働いたとみられる男3人が逮捕されました。被害額は33億円以上にのぼるとみられています。
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22日の夜、東京・秋葉原で聞きました。
──街頭アンケートの人、よく見る?
街の人
「年末になると見るイメージはあります」
「繁華街のところで何回か見かけたり、声かけられたりしたこともあります」
多くの人が目にしたことがあるという「街頭アンケート」。東京都消費生活総合センターによると、こうしたアンケートに答えた後に、トラブルに巻き込まれるケースがいま増えているといいます。
22日、服をあげて顔を隠しながら歩くのは、詐欺の疑いで逮捕された高根沢直人容疑者(42)です。
高根沢容疑者、鴨居和夫容疑者(39)、渡辺賢容疑者(41)の3人は、街頭アンケートに答えた会社員の20代の男性に“投資目的”のマンションの購入を勧め、うその内容で住宅ローンを申請させて、金融機関から2890万円をだまし取った疑いがもたれています。
どのような手口だったのでしょうか。
3人は秋葉原やお台場などで「生活の意識調査」などと題したアンケートを実施。
内容には「氏名」や「住所」のほか「勤務先」や「年収」、「老後への不安」「節税対策への興味」などといった質問がありました。後日謝礼がもらえるなどといい、約6600人分の個人情報を集めたといいます。
その中から、融資を受けやすい若者などをターゲットに選定。そして、次のような言葉で投資話を持ちかけたといいます。
「投資用マンションを持てば節税になる」
「老後への備えのために物件を購入しないか」
勧誘を受けた男性は、投資用にマンションの一室を契約。その際、3人は所有する物件を仕入価格の3倍以上の値段で売りつけたとみられています。
さらに、金融機関に融資を受ける時に、投資ローンよりも審査が通りやすく低金利な居住用の住宅ローンを契約するために、「親に一人暮らしを勧められた」「自分で住みます」といったうそを言わせ、金融機関から金をだまし取ったとみられています。
同様の手口で120人に住宅ローン契約をさせ、金融機関から33億円以上をだまし取っていたとみられる高根沢容疑者。(警視庁によると33億8000万円)
東京・秋葉原で22日夜、街の人に聞きました。
会社員(23)
「怖いなと思います。年収とかプライバシーのことを聞かれると怪しいなと」
フリーランス(23)
「基本お金はないもので、たしかに投資といわれたら(魅力的で)『お?』となる感じはわかります。なるべく断ち切るようにしたいなと」
取材中、アンケートを受けるよう実際に声をかけられていた男性の姿も。
声をかけられた大学生(20)
「アンケートに答えたら『Amazonギフトカード3000円分もらえる』みたいに言われて。名前を書く欄があって怪しいなと。これは答えない方がいいなと思って(答えなかった)」
すべてが悪用されるわけではありませんが、「街頭アンケート」について、どう気をつけるとよいのでしょうか。
トラブル相談を受ける 東京都消費生活総合センター 高村淳子相談課長
「名前・住所・電話番号などを『すべて答えて』は十分注意。(個人情報の)利用目的をきちんと確認することが必要ですし、そういうものがセールスにつながるということを念頭において、それが嫌であればきっぱり断っていい」
(11月22日放送『news zero』より)