「JPドラゴン」幹部ら3人強制送還・逮捕 ルフィGと“接点” …「面倒は見る」 その実態は
フィリピンを拠点とする日本人らの犯罪グループ、「JPドラゴン」の幹部ら3人が強制送還され、逮捕されました。「ルフィグループ」ともつながりがあるとみられる「JPドラゴン」とは、一体どんな組織なのでしょうか。
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19日、成田空港に姿を見せたのは…
記者
「午後3時10分です。男が移送されてきました」
フィリピンから強制送還された、小山智広容疑者ら3人です。なかでも事件のカギを握るのが…
記者
「『JPドラゴン』幹部の小山容疑者とみられる男が移送されてきました。フードをかぶっていてマスクをしています。表情は見えません」
捜査関係者によると、小山容疑者は、フィリピンを拠点にする日本人による犯罪集団「JPドラゴン」という組織の“ナンバー3”だということです。小山容疑者の左手には、タトゥーなのか、「JPドラゴン」という文字が見てとれます。
小山容疑者は2019年、仲間と共謀し警察官などになりすまし、都内の女性に電話。「キャッシュカードが不正使用されている」とウソを言ってカードを盗み、現金を引き出した疑いが持たれています。
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19日朝、3人の姿は、フィリピン・マニラの空港に。フードとサングラス・マスク姿で表情はうかがえませんが、終始うつむきがちでした。
今年2月、入管施設で指紋を採取される小山容疑者を捉えた映像。フィリピンで起きた詐欺事件に関わった疑いで現地当局に拘束され、その後、入管施設に身柄を移されていました。拘束の際には、複数の銃や麻薬のようなものを所持していたということです。
「JPドラゴン」の名が知られるようになったきっかけは、ある“別の犯罪グループ”の存在です。2022年から全国で相次いだ強盗事件の「ルフィグループ」。小山容疑者は、その指示役の今村磨人被告とつながりがあるとみられています。
捜査関係者によると、小山容疑者は、日本に強制送還された今村被告に接触していたといいます。
去年、原宿警察署に勾留されていた今村被告。「接見禁止」中でしたが、弁護士を通じてフィリピンにいるJPドラゴンの幹部とビデオ通話。その相手こそが、小山容疑者でした。
小山容疑者は「面倒は見るから事件について話すな」などと、今村被告に対して、事件について口止めをしたとみられています。
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焦点は、ルフィグループとJPドラゴンに、どのようなつながりがあるのか──。
捜査関係者を取材すると…
捜査関係者
「ルフィグループが残した詐欺のかけ子のチームを、JP(ドラゴン)が引きとるなどして、今村らが帰国した後も(JPドラゴンが)特殊詐欺をやっているという話もある」
そもそも「JPドラゴン」とはどんなグループなのでしょうか。
捜査幹部によると「JPドラゴン」は、フィリピンを拠点とする日本人らの犯罪グループで、元暴力団組員などから構成されているといいます。メンバーがどのくらいいるのか、規模はわかっていませんが、小山容疑者はそのナンバー3の幹部でした。
「JPドラゴン」もまた、日本人を対象とした特殊詐欺事件に関わったとされ、フィリピンから匿名性の高いSNSを通じて、犯行を指示していたとみられています。
今年6月にはメンバーを名乗る男がフィリピンから強制送還され、その後、複数回逮捕されました。男は特殊詐欺で集めた金をフィリピンに運ぶ“運搬役”とみられ、あわせて2億8900万円を持ち出し。グループの資金源になっていたとみられています。
警視庁は、小山容疑者ら3人の認否を明らかにしていませんが、「JPドラゴン」の全容解明や「ルフィグループ」との関わりについても、捜査する方針です。
(11月19日放送『news zero』より)