18日、奈良市の霊園で、土の中から手首が出ている状態で遺体が見つかった事件で警察は、71歳の男を逮捕しました。警察の調べに対し、「同居していた実母を埋めた」と話しているということです。

　死体遺棄の疑いで逮捕されたのは大阪府吹田市のアルバイト従業員・蔵田隆一容疑者（71）で、11月上旬ごろ、奈良市富雄元町の霊園に女性の遺体を遺棄した疑いがもたれています。

　18日午後2時半ごろ、職員から「土の中から人の手首みたいなものが見える」と警察に通報がありました。遺体は墓石が建てられていない区画で手首など体の一部が土から出ている状態で見つかり、近くには掘って余ったとみられる土が残っていたということです。

　警察が掘り起こしたところ、遺体は仰向けに倒れた状態で、目立った外傷はなかったということです。司法解剖の結果、遺体は70代以上の高齢女性で、死亡推定日時は11月上旬ごろ、死因は「不詳」だということです。

　警察によりますと、遺体が見つかった墓地区画の所有者が蔵田容疑者で、19日に事情を聞いたところ、蔵田容疑者が犯行をほのめかしたため、詳しく事情を聞き、逮捕に至ったということです。

　調べに対し、蔵田容疑者は「今月初旬ごろに死体を遺棄したことに間違いありません。この女性は実母で同居していました」と容疑を認めています。

　女性は自宅で死亡し、蔵田容疑者が一人で遺体を運んだとみられ、警察が詳しい経緯を調べています。