被害者語る 「○○pay詐欺」巧妙な手口とは “三重取り”も…被害急増、幅広い世代が標的に
ネットで商品を買った人に「○○payで返金します」と持ちかけ、逆に送金させる詐欺が急増しています。幅広い世代がターゲットになりうる中、実際に被害を受けた40代の男性が、その巧妙な手口について語りました。
13日、街で聞きました。
──「○○pay」使ってますか?
大学生(20代)
「使ってます、PayPay」
大学生(20代)
「メルペイ使ってます」
会社員(40代)
「PayPay使います。小さいものから大きいものまで(買ってる)」
──使い慣れてきている?
会社員(40代)
「簡単ですよね」
ネットでも簡単に支払いができるため、幅広い世代に浸透しているキャッシュレス決済。ただ、今こういった「○○pay」を使った詐欺も急増しているといいます。
◇
「news zero」が話を聞いたのは、○○pay詐欺被害に遭ったという都内に住む40代の男性です。
──総額はいくらくらい?
○○pay詐欺で 50万円超の被害(40代)
「全部で51万240円です。精巧になった詐欺だなと思いました」
発端は今年9月、通販サイトで、木を伐採する機械を購入した時でした。
50万円超の被害(40代)
「メルカリで希望する商品を買おうとしたんですけど、値段が高かったので、別サイトで探していたところ、(商品が)あったので問い合わせして、安かったので通販サイトで購入した」
銀行振り込みで、商品代1万240円を支払ったという男性。ただ、1週間待っても商品は届かず…。
50万円超の被害(40代)
「(業者に)問い合わせたところ、『商品が欠品しているので返金します』といきなりメールが送られてきて、そこにLINEのIDの二次元コードが張り付けてあって『こちらから問い合わせてください』と言われて」
そこから、業者とのLINEでのやりとりが始まりました。男性が、支払った時と同様に「銀行振り込み」での返金を求めると…
業者
「税関の問題で、現時点では銀行カードでの返金には対応しておりません。電子返金はPayPayのみ対応しています」
さらに「海外送金だと時間がかかる」と言われたため、男性は、不審に思いつつもPayPayでの返金に応じることに。
ただ業者から「操作がうまくできない」と言われ、そこから始まったのは、LINEのミラーリング機能を使ってのやりとり。ミラーリング機能とは、相手のスマホに、今の自分の画面が共有されるものです。
業者は、片言の日本語で電話をしながら男性に PayPayの決済画面を見せるように指示。すると…
50万円超の被害(40代)
「商品代金が引き落とされて『ちょっと待って。こっちが問い合わせてるのに、逆じゃないの?』って話をして」
返金を待っていたはずが、自分が送金する事態に。
業者から「PayPayではうまくいかないので、メルペイで返金する」と言われ、同じように決済画面を共有しますが…
50万円超の被害(40代)
「21万、10万、9万円と(相手に送金されて)『何やってるの!』とこっちが怒鳴っても『お客様、落ち着いて』しか言わない。今考えると、慣れているとしか思えない」
業者が共有された決済画面を悪用して、男性の金を動かしたとみられています。最初の商品購入代、PayPayでの送金、メルペイでの送金と、3度にわたって、あわせて50万円以上をだまし取られた男性。
──どのあたりから、変だなと気づいた?
50万円超の被害(40代)
「電子マネーで返金しますって時点で『ん?』とは思ってたんですが、受け答えがしっかりしていたので信用してしまった」
男性は、警視庁に被害の相談をしています。
国民生活センターによると、○○pay詐欺に関する相談件数は、この1年4か月で急増。今年7月は「514件」で、去年4月の24倍以上になっているといいます。
◇
同僚の友人が、同じように○○pay詐欺の被害に遭ったという女性は…
会社員(50代)
「お買い物して返金(の手続き)しようと思ったら(お金が)どこかに行っちゃったって」
──被害額は?
会社員(50代)
「5万円くらいって聞いた。怖いですよね」
大学生(20代)
「オンラインで使うのを控えようかなと思ったりする。だまされないように、自分で守っていくしかないかな」
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国民生活センターは、「10代20代を中心に、幅広い世代がターゲットになっている。『○○payで返金します』と言われたら、詐欺を疑ってほしい」と注意を呼びかけています。
(11月13日放送『news zero』より)