【気象予報士・木原さん解説】“ダブル台風”…今後の進路 日本への影響は?
台風9号、10号が相次いで発生しました。この2つの台風について、日本への影響などを気象予報士の木原さんに解説してもらいました。
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24日(木)に発生した台風9号は、25日(金)午後3時現在、フィリピンの東海上にあります。今後はフィリピンの東で発達を続け、30日(水)には非常に強い勢力で、先島諸島に近づくおそれがあります。
一方、25日(金)午前3時に発生した台風10号は、25日(金)午後3時現在、日本の南海上にあります。今後は速度を上げて、週明けには日本の東海上を北上する見込みです。東北の太平洋側に近づくおそれもあり、注意が必要です。
――後に発生した台風10号が、先に発生した台風9号と比べて、かなり早く進む理由とは?
そもそも台風というのは、台風自身ではほとんど進むことはできず、上空の風の流れに乗って進みます。
一般的に台風を動かしている風は、大きく2つ。まず1つ目は偏西風。上空を流れる強い西風ですが、今回の2つの台風とは大きく離れています。そして2つ目は、日本の南にある太平洋高気圧の縁を回る風です。このやや強い風に乗って、台風は進みます。今回の台風10号が速度を上げて北上する理由がこちらにあたります。台風9号の周りには台風が進む要因となる風が無いため、台風の速度は遅いということになります。
さらに今回の台風9号、10号では、付近の「海面水温」が異なります。海面水温というのは、台風の「勢力」に大きく関わり、海面水温が高ければ、台風は勢力を強める、つまり発達します。
台風9号周辺の海面水温は30℃以上と非常に高いことが分かります。台風9号は動きも遅いので、より勢力が発達しやすくなります。一方、台風10号周辺の海面水温は9号周辺と比べると少し低いことが分かります。台風10号は動きも早く、9号と比べて発達しにくい予想となります。
――気になる日本への影響は?
台風9号は30日(水)以降、先島諸島などで影響が出てきそうです。一方、10号は日本の東を北上する見込みですが、東北の太平洋側や関東を見ても、25日(金)午後5時現在、雨の予報はありません。ただ2つの台風はまだ日本から遠く、予想も難しいので、最新の台風情報を確認してください。