【密着】女性船長が守る東京湾の安全! 海上保安庁”海の交通整理”の仕事『every.特集』
東京湾にもラッシュアワーがある。船舶のラッシュだ。夕方になるとおよそ2時間で100隻以上が東京湾を出ていく。そこには衝突などの事故が起きないよう交通整理をする、海のプロフェッショナルたちがいるのをご存じだろうか。海の上には海上保安庁の巡視艇。そして地上にはレーダーとカメラで24時間、昼夜を問わず監視する海の管制官たちが日夜、東京湾の安全を守っているのだ。
午後2時30分、海上保安庁の基地では、巡視艇の「はまぐも」がパトロールのため出航の準備に入る。船長は4月に着任したばかりの力安夏美(りきやす なつみ)さんだ。「船長として乗るのは、この船が初めて」という。実はこの春に船長になったばかりだ。5歳の男の子がいる力安船長。海上保安庁を目指したきっかけは、高校生の時に説明会に参加したことだった。海外派遣など乗組員として実績を積み、入庁から15年の今年晴れて船長になった。
午後5時すぎ。港で作業を終えた大型船が次々と東京湾に出てくる。「右前進、取り舵いっぱい」力安船長の声が飛ぶ。ラッシュのピークになると、海上では大型船が並んで進んでいた。実はここに東京湾の交通システムが存在する。そのシステムとは?
さらに、巡視艇と連携して、地上から監視を行っている海の管制官たちもいる。横浜市に拠点を構える地上部隊の「東京湾海上交通センター」、通称「東京マーチス」だ。東京湾全体を監視カメラとレーダーを駆使して24時間体制で見守っている。航路を監視し大型船に直接指示を出したり、何かが起きればその海域に巡視艇を向かわせたりするのだ。
午後7時、夕方のラッシュが終わったが、巡視艇「はまぐも」では力安船長をはじめ、乗組員が緊急出動に備え船内で宿泊する。この日は泊まりの勤務だ。次の出動は、早朝のラッシュに合わせた午前4時30分。力安船長によると、「朝方の方が船は多い」という。朝の東京湾は「ある事情」で夕方とは違う船のラッシュが起こるというのだ。
朝になり同乗取材を続けていると、船長の言葉通り、大型船の進行方向にたくさんの船が出現する事態が発生した。力安船長の出番がやってきた。
※詳しくは動画をご覧ください。(2023年10月5日放送「news every.」より)