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年収数百万「ギャラ飲み」、派遣の女性ら申告漏れか――国税局が調査飲み会参加で報酬、仕組みと実態は

2022年2月5日 14:29
年収数百万「ギャラ飲み」、派遣の女性ら申告漏れか――国税局が調査飲み会参加で報酬、仕組みと実態は

飲み会に参加して謝礼をもらう「ギャラ飲み」。広がりを見せますが、派遣された数十人以上の女性らが、年数百万円以上の報酬を得ながら税申告していない疑いがあると分かりました。多い月で30万円を得ていた女性(24)に、利用方法や実態を聞きました。

■生活費のあてに...飲み会ハシゴも

去年まで「ギャラ飲み」をしていた女性(24)に4日夜、都内で話を聞きました。

「ギャラ飲みだけの金額で言うと、1か月で(最高)30万くらい。1週間に4日ぐらい稼働して、場合によっては1件目終わったら2件目またハシゴするみたいな。主に仕事終わりに」

飲み会に参加することで謝礼が支払われる「ギャラ飲み」。去年、新型コロナウイルスの影響で給料が減ったため、女性は生活費のあてにしていました。

女性はある運営会社のアプリの募集画面を示し、「1対1でご飯、飲み会に来てくれる子を探しています」と言います。「(募集を出す男性の)年齢は本当に幅広くて20~50代。職業的には経営者がダントツで多かったです」

東京・六本木で専門学生(20)とフリーター(20)に4日夜、ギャラ飲みを知っているか尋ねました。
「聞いたことあります」「(知り合いは)まあまあ(お金)もらったと聞きました」と話しました。

■仕組みと「キャスト」の報酬は?

ギャラ飲みのマッチングサービスを行う運営会社のホームページなどによると、依頼したい利用者は、会社に登録されている「キャスト」と呼ばれる女性らに集合場所などを指定。利用者は一緒に飲食し、運営会社に料金を支払います。

キャストには、運営会社から報酬が支払われます。運営会社は、人気が出れば「月1400万円以上得ることも可能」とうたっています。

■税務調査で...数十人「申告漏れ」か

関係者によると、東京国税局が運営会社の税務調査を行ったところ、派遣された女性らについて、税金の申告漏れの疑いが相次いでいることが判明しました。

運営会社とキャストとの間に雇用契約はなく、所得が一定額を超えると自分で税金を納める必要がありますが、年間数百万円以上の報酬を得ながらも申告していないキャストが、少なくとも数十人確認されているといいます。

ギャラ飲みで得た報酬の分も納税しているという冒頭の女性(24)は、「大半が多分、私みたいに本職があって、副業的なお小遣い稼ぎとしてやってて。税金払わなきゃというところまでは、多分(考えが)及ばないのかなと思う」と言います。

東京国税局は、納税についての知識がなく、申告しないケースが多発しているとみて、実態の把握を進めています。

(2月4日『news zero』より)