“異例な動き”…猛烈な台風11号 今後の進路・注意点は? 木原気象予報士が解説
猛烈な台風11号は沖縄本島に接近しています。週末には一転して進路を北寄りに変える予想で、列島への影響も心配されています。この台風について、気象予報士の木原さんが解説します。
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気象衛星ひまわりから見た日本付近の様子を確認すると、台風11号の特徴は、コンパクトな雲の形で、真ん中にパッチリとした「目」が見えています。「猛烈な勢力」にまで発達していて、中心付近の風が猛烈に強いです。
そして、台風11号の南側に雲の塊があり、熱帯低気圧があります。この熱帯低気圧は大して勢力は強くないように見えますが、今後、台風11号に取り込まれるような形になる見込みです。そうすると、雨雲が強化され、台風11号本体の雲が大きくなり、猛烈な勢力を維持する可能性もあります。
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今後の進路予想です。
台風11号は午後4時50分ごろ、最も沖縄本島に近づいていて、この後、南西方向に勢力を維持したまま進みます。9月1日にかけて予想される最大瞬間風速は沖縄地方で35メートル、奄美地方で30メートル。波の高さは沖縄地方で9メートル、奄美地方で7メートルと大しけの状態が続きます。うねりを伴った高波に厳重な警戒が必要です。
そして9月2日にかけて、一転して進路を北寄りに変える予想です。
――急激に進路が変わる要因は?
主な要因は気圧配置にあります。31日の段階では台風は西へと進んでいます。日本の南、つまり台風11号の北側は大きく高気圧帯に覆われていて、この上空の風に乗る形で台風は西へ進んできました。この高気圧の張り出しが強く、台風11号は北上することができなかったのです。
ところが9月1日になると、この高気圧帯が分断される影響で、台風11号の通り道ができます。台風11号は、この通り道を高気圧のへりの風に乗って北上を始め、やがて九州にも接近するおそれがあります。
台風11号が北上してくると列島への影響が心配です。週間予報では、那覇など沖縄では台風11号が停滞し、長い影響を受けます。9月1日は暴風で、一旦、台風11号が離れた後、再び戻ってくるため、9月3日・4日も暴風の予報です。そして、秋雨前線も北から南下してきていて、広い範囲で週末にかけて雨になり、台風の行方次第では来週も雨が続き、長い時間降って大雨となる可能性もあります。
台風11号は、今までの台風と違い“異例な動き”をしています。これまで経験したことのない天気の変化をするおそれもあるため、最新の台風情報を確認し、十分注意してください。
(8月31日午後4時50分ごろ放送『news every.』より)