「待ちかねてました」 珠洲市の路線バス「すずバス」一部で運行再開、被災市民の生活支える
能登半島地震による津波の被害で運休が続いていた、石川県珠洲市の路線バス「すずバス」が13日、運行を再開しました。中継です。
珠洲市役所の目の前では、いま自衛隊による炊き出しの準備が進められています。その横にあるバス停で13日から運行が再開された「すずバス」が発着していました。13日から再び、市民の身近な足として、バスが走り始めました。
13日午前8時前、地震後、初めてのバスがこちらの停留所に到着し、運行が再開されました。早速13日朝、バスを利用した女性は、地震で亡くなった夫の死亡届を出すため、市役所を訪れたといいます。
バスの利用者「市役所に行きます。夫が地震で死んだの。(運転手に)またよろしくお願いしますと言った。『はいはい』と言っていた。よかった。うれしいわ本当に」
13日に再開されたのは、珠洲市の中心部と狼煙町や大谷町などを結ぶ5つのルートで、指定避難所と市の中心部を往復する臨時のバスも運行されます。
「すずバス」は市民の生活を支える無料の路線バスとして、2022年3月から運行されてきましたが、能登半島地震により、9台のバスのうち、2台が津波の被害で故障し、運行ができなくなっていました。
すずバス運転手「前まで出てきて、ここ(壁)にぶつかったんだろう」
記者「(バスが)津波で浮いて、壁にぶつかったんですね」
こちらの男性は被災前には週に1度、すずバスを利用していたといいます。運行再開の13日、自宅からバスで20分ほどかけて向かったのは郵便局でした。
利用者「出せたら出そうかなと、郵便物を。5、6通あります。(バス再開を)待ちかねてました。(移動の)足がないものですから。途中の道が修復されてないので、スピードが出せない。平時とだいぶ違う」
珠洲市は今後、被災した道路の復旧状況や、市民の要望などを受け、本格再開に向けてルートの見直しなどを進めたいとしています。