【全国最高額】億超えの返礼品は“巨大な縁起物” 従業員10人の町工場が4年がかりで制作に挑んだ理由とは? 「すげーなって思ってもらえるものがあったら…」 三重・度会町
超ド級“最高額”ふるさと納税の返礼品
驚がくの返礼品が生まれたのは三重県度会町。人口約7500人の小さな町です。
超高額返礼品の生みの親である山本晴久さん(72)と息子の真太朗さん(43)に、どんな返礼品なのか聞いてみると、どうやら巨大な縁起物のようです。
実物を見せてもらえるということで、向かったのは金属加工メーカー「大河内」。従業員約10人ほどの町工場で、普段はステンレス製のタンクなどを製造しているということです。
驚きの返礼品は専用の展示室にありました。高さ3メートル、横幅4.5メートルほどの光輝く松の木、その名も『創生の松』。ステンレス製で、一点もののオブジェです。土台には竹があしらわれ、傍らには梅の花も咲く縁起物。息子の真太朗さんが発案し、父の晴久さんが設計・制作を指揮しました。
大河内 山本晴久専務:
「日本全国いろんな技術職人がいますけど、人に負けたくないというか、人よりいい作品を作りたいということがあった」
最大の見所は松の葉。針金を巻くようにして作られたもので、使った針金は10万本以上。ペンチを使って針金をまとめ、手作業でひねって松の葉の形に仕上げます。この作業が途方もないものでした。繊細な作業のため機械が使えず、松の葉をひとつ作るのに約20分もかかったといいます。
5人の従業員が制作にあたり、針金をひねる作業だけで約1年半、完成までに4年の年月を要しました。
どうして小さな町工場が、これほどの超大作に挑んだのでしょうか?
大河内 山本真太朗社長:
「工場(などの製造業)に若い子たちがなかなか入ってきづらい。みんなが見上げて『すげーな、これ』って思ってもらえるものがあったら、製造業として違いが生まれるんじゃないかと思った」
ものづくりの魅力を伝えたいという思いで作られた松のオブジェ。気になる寄付金額は…なんと10億円!!!
職人による手作業で、完成までに4年を要したことから、この金額に。全国でも過去最高額とみられています。
前代未聞の返礼品に予期せぬ事態も起きていました。度会町が利用している3つのポータルサイトのうち2つが、寄付額の上限が9億9999万9999円だったため、システムが対応しきれず掲載できなかったのです。
年収によって税金の控除を受けられる上限額が決まる、ふるさと納税。10億円を寄付できるのは、どんな人なのでしょうか。ふるなびの担当者によると、いくら寄付ができるか計算する総務省のシミュレーションで計算したところ、約300億円の年収が必要だということです。
大河内 山本晴久専務:
「日本国内の人ももちろんですけど、海外から来るお客さんもいっぱいいる。こういうのを見てもらうと、日本ってさすがすごいねと思う人もいるんじゃないか」
常識を覆す超高額返礼品の松のオブジェ。はたして、手にする人は現れるのでしょうか…。