19時間におよぶ大規模な立ち往生が発生した“雪の難所” 岐阜・関ケ原町で「顕著な大雪に関する気象情報」の運用開始 東海地方では初
立ち往生に巻き込まれないために…
12月17日の岐阜県関ケ原町は、最低気温3.4℃と冷え込みました。これからの季節、この地域で多いのが…雪。
十数年前と比べると雪が減ったという一方、地元の住民も「雪質がここら辺は湿った雪だからどうにもならなくなるみたい。あんまり降らんといてほしいわ、本当に」「高速道路が止まってしまうと、今度は一般道が渋滞するということで、地元としては痛し痒し」と、これからの大雪で交通障害にならないか心配していました。
伊吹山から濃尾平野へと吹きおろす冷たい風「伊吹おろし」でも知られる関ケ原町のそばにある名神高速道路の養老SAで雪対策について聞いてみると、ドライバーたちはスタッドレスタイヤに替えたり多少の食料を持ち歩いたりと、冬の備えをしていました。
多くのドライバーが警戒するにはワケがありました。2024年1月、関ケ原町付近の名神高速で、大雪によって最大約1200台が立ち往生し、19時間にわたって抜け出せない事態になったのです。
それがきっかけとなり、2024年12月13日に岐阜県で運用が開始されたのが、気象庁が発表する「顕著な大雪に関する気象情報」。対象となったのは関ケ原町で、東海地方では初めてとなります。
気象台では、関ケ原付近の平地で3時間に20センチの降雪を観測し、その後も警報級の大雪が予想される場合に「顕著な大雪に関する気象情報」を発表。大規模な交通障害が発生する恐れがあることを呼びかけるといいます。
また高速道路を管理するNEXCO中日本では、立ち往生が発生した際、ドライバーらをいち早く救出するために、小型の除雪機や電気で走行するバイクも初めて導入。これからの雪のシーズンに向け、対応を強化しています。
NEXCO中日本によると、関ケ原地区は雪が降っている時の道路管理が難しい場所だということです。その理由は地形にありました。
北を伊吹山地、南を鈴鹿山脈と養老山地に挟まれた“谷”の地形で、雪雲が集中しやすく、大雪になりやすいのです。そのうえ、関ヶ原ICから彦根ICの間はアップダウンが激しいため、上り坂ではスピード落ちやすく、雪が積もるとトラックが登り切れず止まってしまうこともあるそうです。
今回の対象は関ケ原ですが、岐阜地方気象台によりますと、今後、東海北陸道の周辺などにも、対象範囲が広がる可能性もあるとしています。
遠出が増える年末年始、注意が必要です。