スガキヤの新業態「スーちゃんハウス」が名古屋・星ケ丘にオープン! “たこ焼き” “鍋焼きうどん”の次は…? 次々と新業態を展開するウラにある課題
スガキヤの看板商品といえば、名古屋のソウルフードにもなっている赤いどんぶりの「ラーメン」ですが、12月12日にオープンした新店舗では、ラーメンを押しのけて、予想外のイチオシ商品が登場しました。今年に入って次々と新業態を展開するスガキヤ。その背景には、スガキヤが抱える課題がありました。
スガキヤ新業態「スーちゃんハウス」 イチオシは“ラーメン”ではなく“生ポテト”!?
12月12日の朝、名古屋・星ケ丘に長蛇の列ができていました。みなさんのお目当ては、この日にオープンした「スガキヤ」の新業態「スーちゃんハウス」です。
店の雰囲気は従来のスガキヤとはガラリと変わり、赤・白・ピンクが基調になっていたり、あちこちにスガキヤのキャラクター「スーちゃん」がいたりと、思わず写真を撮りたくなる、かわいらしい仕掛けがたくさん!
スガキコシステムズ 宮地紫野さん:
「スーちゃんのキャラクターをたくさんちりばめた内装で、みなさんもちろんなんですが、若い方に来てもらえるようなお店になれば」
ガラリと変わったのは、内装だけではありません。新メニューとして、見た目もオシャレなシェイクが登場。あのスガキヤのソフトクリームをドリンクにした「スーちゃんシェイク」です。
さらに、まるごと1個のジャガイモをお店でカットして揚げた、本格的なフライドポテト「まるごと生ポテト」も新メニュー。
写真映えするオシャレさだけでなく、店内には、充電可能なコンセントやWi-Fiも完備。特に若い世代をターゲットにしています。
自分好みにカスタマイズできる鍋焼きうどんの専門店
スガキヤの新しい挑戦は、この店だけではありません。今年11月、岐阜県各務原市のイオンモール各務原インター店にオープンしたのが、うどん店「一得庵」。
珍しい鍋焼きうどんの専門店で、価格は約1000円。味は、みそやカレーなど5種類あり、麺も普通麺と太麺の2種類から選べます。
食事をしていたお客さんに感想を聞いてみると「(スープは)味が濃くて甘くておいしいです」「(麺は)ツルツルでモチモチでおいしいですね」と、味の評価は上々!
さらに、こんなサービスも…。
スガキコシステムズ商品開発・マーケティング部 岡田友志さん:
「好きな野菜を好きな分だけ取ってもらう形でやってますので、自分好みにカスタマイズでき、本当に自分だけの鍋焼きうどんが作れる」
野菜やキノコ、卵など数種類の具材を好みで選べて、自分好みにカスタマイズできるのです。
さらに、鍋焼きうどんの調理には通常時間がかかりますが、この店ではスガキヤのラーメン同様にスピーディ。早く火が通るよう工夫した麺と、細かく切った野菜を煮込むことで調理時間を短縮。提供までの時間は、5分を目指しているということです。
挑戦のワケは若者の“スガキヤ離れ” 10~20代の集客に課題
今年、スガキヤは新しい業態の店を次々とオープンさせていますが、その理由は、スガキヤグループの課題である「10代・20代のスガキヤ離れ」にありました。
広報担当者によると、スガキヤの客層は、親に連れられてくる10歳未満と、子どもができて戻ってきた30代。そして、そのままファンとして残った40代以降は多いものの、ファミリー層の間の世代である10~20代があいてしまっているのです。
スガキヤは、高校生くらいになるとバイトを始めたり、お小遣いも増えることから、ちょっといい値段の店に行き始めるからではないかと分析。その打開策として打ち出したのが、今年次々とオープンさせている新業態なのです。
今年3月にオープンしたスガキヤの新業態「たこ寿」は、家族で食べやすいたこ焼きで、すべての年代を焦点に。
11月にオープンした「一得庵」では、鍋焼きうどんが好きな年配層はもちろん、たくさんのスープや具材をカスタマイズできる楽しさで、若者層や女性層の獲得も期待できます。
そして、12月にオープンした「スーちゃんハウス」は、離れてしまった若者をターゲットに「映える」メニューや店内にこだわっています。
このように、業態を変えることで「スガキヤとずっと一緒」を狙っているのです。スガキヤが始めた新たな挑戦。今後の展開に注目です。