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生徒の職業選択への考えを幅広く 自分らしい生き方を実現して 名古屋市のキャリア教育

2025年2月13日 16:32
義務教育の段階から児童や生徒が職業の選択肢を幅広くもつ考えを推進していきたい名古屋市は、さらにキャリア教育を広げ充実させていく方針です。
そのために2024年中にすべての市立中学校(110校)に「キャリアコンサルタント」の国家資格を持った専門家「キャリアナビゲーター」を常勤の職員として配置しました。全国初の試みといいます。

キャリア教育は、社会で自立した個人として生きていく能力や姿勢を育てることを通じて、自分らしい生き方の実現を促す意義をもっています。

生徒の身近にナビゲーターが常勤することで、彼らと生徒との接点が増えて、進路相談などの支援がしやすくなりました。一方、生徒がキャリアプランを考えることも、生徒が自身に密接なものとして捉えられるようになりました。

キャリアについて生徒が身近に考えられる環境が整うと共に、名古屋市は企業との連携を強化して、出張授業やインターンシップの機会を継続的に提供します。先んじて23年11月に市教委が「キャリア教育推進センター」を設置しており、協力に積極的な企業や大学、団体などとの調整を行うほか、企業の提供する教育内容を授業に導入しやすいようにしたりします。

生徒へのキャリア教育の授業時間は「キャリアタイム」と呼び、24年度から市教委が導入しています。すべての市立の小学校や中学校、高等学校、特別支援学校で実施され、学校ごとにさまざまな教科を組み合わせながら年間授業時間数を調整し、授業の計画を立てています。

たとえば名古屋市南区の明豊中学校の場合、24年度は計10コマのキャリアタイムを実施。その中では、キャリアタイムサポーターとなった企業が3Dプリンターの仕組みや使い方を伝えながら、生徒たち自らデザインした作品を製作しました(中京テレビでは24年7月5日放映)。

市の担当者はキャリアタイムでの学びを通じて「『大人になるってステキだな。働くことって楽しそうだな。今の学びが将来につながっているんだな』という思いをもってほしい」と話しています。

担当者によれば「キャリア教育は、社会で生きるための『基礎的・汎用的な能力』を育成することが目的」ということです。「こうした根底の部分を今後、人々の理解として浸透させていきたい」と呼びかけています。

最終更新日:2025年2月13日 16:32
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