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「いざという時に・・・」 水難事故から命を守る授業 岐阜県笠松町・岐南町の全小学校で実施

2024年6月28日 12:41
「いざという時に・・・」 水難事故から命を守る授業 岐阜県笠松町・岐南町の全小学校で実施
笠松町立松枝小学校の4年生の授業風景(画像提供:羽島郡二町教育委員会)
毎年、海や河川で相次ぐ水難事故。去年も岐阜県の近隣の県や市町で小中学生が川やプールで溺れて死亡する痛ましい事故が起きています。

こうした状況を受け、笠松町・岐南町にある全6校の小学校では、夏休み前の水泳の時間を使い、“水難事故から命を守る授業”を開始しました。

授業を受けるのは3年生と4年生の児童。羽島郡二町教育委員会の担当者によると、現在の3年生と4年生は、基礎を学ぶ小学1年生の時にコロナ禍により水泳の授業が実施されず、水遊びを通して「もぐる・浮く」という基礎的な技術を習得する段階を経験できなかったため、今回はこの2学年を対象にしたということです。

これまで、学校が単独で外部の水泳指導者を招いたり、消防署と協力して水難事故防止の学習を行ったことはありますが、教育委員会主導で羽島郡の笠松町・岐南町にある全小学校が一斉に実施するのは今年度が初の試みだということです。

“水難事故から命を守る授業”は2段階に分けて行われます。第1段階の「水泳教室」では、水泳専門のコーチ2人を各小学校の体育の授業に2コマ×2回派遣。水泳の習熟度に応じで児童を3つのグループに分けて指導し、誰もが水に浮けるようにするのと同時に、泳力も伸ばしていきます。

第2段階は、消防署の指導のもとで行う「水難事故防止教室」。ライフジャケットの正しい着用や、服を着たまま泳ぐ着衣水泳の体験、溺れかけたときの対処法について、各地域の消防署職員から学びます。

こうした授業には、教員の水難事故予防の知見向上や指導力アップの狙いもあり、教員も授業をサポートしながら指導方法を身につけていきます。

水泳教室に参加した児童たちは楽しみながら学んでいるようで、「楽しかった」と言ってコーチに手を振る様子も見られました。教員からも「来年度以降も続けてほしい」という要望が上がっているということです。

担当者は「“もぐる・浮く”という基礎的な技術の習得は、いざという時に命を守ることにもつながる。“危険だから近づかない”のではなく、水難事故から命を守るための正しい知識や、水に親しむための技術を身につけてほしい」と話しています。

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