時代とともに変化する大学の入学式 50年はカラフル&ノーネクタイが主流 親は子どもに内緒でこっそり見学!?
5日に行われた名古屋大学の入学式。新入生たちは晴れやかな笑顔で大学生活をスタートさせました。学生たちのキラキラした笑顔はいつの時代も変わりませんが、入学式の様子を見てみると、この50年で大きな変化があったようです。
大学生活をスタートさせた新入生 50年で学生たちに変化は?
学部生と大学院生合わせて約4500人が出席した名大の入学式。杉山直総長は新入生に向けて「失敗が許されるのが学生時代です。何度も失敗してください。諦めずチャレンジすることこそが大切です」と祝辞を述べました。
そこで、新入生に大学でやりたいことを聞いてみると…。
工学部の新入生(東京出身):
「機械が結構好きで、この地方は機械産業が盛んなので、より深い学びができるのではないかと思って来ました」
農学部の新入生:
「英語がペラペラになって海外に行けたらなと思う。化粧品を作りたい。そのためにバイオ生命を研究したい」
工学部の新入生:
「(入学できたのは)めっちゃうれしいですけど、ここからがスタートライン」
と、将来を見据えた学生がほとんどでした。学生たちが新生活への期待に胸をふくらませるのは今も昔も変わりませんが、中京テレビに残っている1970年代の名古屋大学の入学式の映像で、当時の新入生が話していたのは…。
【1970年代の新入生へのインタビュー】
Q.大学生活でなにがしたい?
「今までやったことないこと。主に遊び」
Q.学問一筋でもないわけですね?
「それはできないね」
Q.4年間しっかり勉強して、社会に出てから遊びってできるのでは?
「僕にはそんなことできない」
Q.大学は何をするところだと思う?
「いい友達を作るところ。なんとなく入ったから、これから探そうと思う」
学業以外でも大学生活を謳歌したいと考える学生も多かったようです。
服装や保護者にも変化が… 時代と共に移り変わる大学の入学式
学生のインタビューだけでなく、映像には時代を感じる場面もありました。
まず目に付いたのは、入り口に掲げられた貼り紙にある「父兄(ふけい)」という言葉。今では“不適切”として「保護者」に変わりました。
服装にも大きな変化があったことがわかります。70年代は、カラフルなベストを着たり、ノーネクタイだったりと個性的な装い。中には学生服の人もいます。
その後、1990年代、2000年代と時を経るにつれて、服装は徐々に黒や紺色の同じようなスーツ姿に統一されていきます。5日の名大の入学式でも、紺や黒のスーツ姿がほとんどでした。最近は、女性は胸元に大きなリボンを結ぶのが人気のようです。
さらに、変化は保護者にも見られます。今では会場まで一緒に行く親は珍しくありませんが、そうなったのは80年代から。70年代の保護者たちはちょっと控えめでした。
1978年に行われた名大の入学式で、新入生の保護者にインタビューした映像では「(子どもには)黙ってどんなものかしらと思って。子どもは『来てはいけない』と言いましたもんで」「講堂の中には入れないんですけどね、こちらに用があったもんですから、親としてのぞいてみたい気持ちがあって、おめでとうってちょっと参りましたの」と、子どもに内緒でこっそり来ていた保護者も多かったようです。
近年の大きな変化と言えばコロナ禍での入学式が記憶に新しいのではないでしょうか。検温、距離を取った席の配置、マスク姿での入学式は、最近のはずなのに、どこか遠い昔のようにも感じます。
皆さんの入学式は、どの時代でしたか?