“職業差別”発言の静岡県・川勝知事が辞職へ リニア着工の「転換点」になるか?
職業差別ともとれる発言をした静岡県の川勝知事が突然、辞意を表明しました。度重なる問題発言に加え、リニア中央新幹線の工事を認めてこなかったことでも知られる川勝知事。開業に向けた動きに影響はあるのでしょうか。
新入職員への訓示が発端に… 辞意表明の川勝知事 後任は誰? リニア開業時期に影響は?
2日、突然辞意を表明した静岡県の川勝平太知事(75)。きっかけとなったのは、一昨日、県庁で行われた新入職員にむけた訓示での発言です。
静岡県 川勝平太知事:
「県庁っていうのは、別の言葉で言うとシンクタンク(=“頭脳集団”)。毎日毎日、野菜を売ったり牛の世話をしたりモノを作ったりとかと違って、基本的に皆様方は頭脳・知性が高い方たち。それを磨く必要がある」
野菜の販売や酪農家などに対して”職業差別”ともとれる発言をし、県には知事を批判する意見が430件も寄せられるなど、波紋が広がっていました。これについて知事は、一貫して“職業差別ではない”と回答。
静岡県 川勝平太知事:
「職業差別は皆無です。農業やってるとか、商売やってるとか、モノ作りされている方と違う仕事ですから、従ってしっかり知性を磨いてくださいと、そういう意味。どのような職業に対しても違いはある。職分が違う。しかし、職の貴賤はないのが基本的な考え方ですので、そういう流れの中で発言しております」
現在、4期目を務める川勝知事は、これまでも“不適切発言”がたびたび問題になってきました。サッカーの強豪校に対しては「サッカーをするために入ってきている。勉強よりもボールを蹴ることが一番重要」と発言。さらに、「あちら(御殿場)はコシヒカリしかない! 飯だけ食って、それで農業だと思っている!」と、県内の御殿場市を批判するような発言では苦情が相次ぎ、県議会で初めて「辞職勧告決議」が可決されたほか、その後の対応が問題視され、知事に対して50年ぶりに不信任案が提出される事態になりました。
そして2日、今回の発言が問題視されると、突然の辞意表明。翌3日に行われた会見では、“職業差別”ともとれる発言について「お詫びしたい」と謝罪しました。
静岡県 川勝平太知事:
「私の新規県庁職員として採用した職員への激励・励ましの中に、心を傷つけるような発言があったということを厳しく受け止めております。第一次産業の農業・酪農・水産業、これはもっとも大事にしてきた産業であり、そういう方の心を傷つけたとすれば、誠に申し訳なく、心からおわびいたします。申し訳ありませんでした」
川勝知事といえば、リニア中央新幹線の静岡工区着工を認めないことが注目を集めていました。今回の事態を受け 開業時期に影響が出る可能性もあります。コメントを求められた愛知県の大村知事は、改めてリニアの早期開業を求めました。一方、JR東海は中京テレビの取材に対し「コメントする立場にない」としています。
突然辞意を表明した真意は。後任の新知事の方針は… 今後の動向に注目が集まります。