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【令和の米騒動】10キロの米が1か月で500円値上がり スーパーでは品薄でアメリカ産の米を急きょ入荷 まもなく迎える新米の季節で解消なるか…

2024年8月27日 11:39
【令和の米騒動】10キロの米が1か月で500円値上がり スーパーでは品薄でアメリカ産の米を急きょ入荷 まもなく迎える新米の季節で解消なるか…
「令和の米騒動」か…?

食卓に欠かせない“お米”が店頭から消える異例の事態が起きています。名古屋のスーパーでは入荷してもすぐに品切れする状況で、価格も値上がり、アメリカ産の米を仕入れるなど急場をしのぐ対応が続いています。

白米おかわり自由の飲食店 米の価格高騰で苦渋の決断…

高温でからっと揚げた絶品とんかつの上に、埋もれるほどのネギをのせた「味噌カツランチ」が人気の黒豚屋「らむちぃ」。ランチにつく味噌汁・キャベツ・つやつやと光る白米は、なんとおかわり無料! このサービスはお客さんからも好評で、愛知県産のお米を1日25キロ炊くといいます。

しかし、主食である米が今、ピンチを迎えているのです。

「らむちぃ」の兵藤店長によると、10キロの米の仕入れ値が先月と比べ約500円上がっているといいます。

おかわり自由のサービスを続けるため、今月から定食の値段を80円~200円あげる苦渋の決断に踏み切りました。

黒豚屋「らむちぃ」 兵藤千賀子店長:
「いろいろ考えたんです、おかわり自由を辞めるか。せっかくお客様が楽しみにしているので、そこだけはちょっと頑張らないといけない。そのまま続けていこうと思っています」

スーパーは米が品薄 アメリカ産の米が救世主となるか?

各地のスーパーでも“異変”が相次いでいました。名古屋市内のスーパーの米売り場をのぞいてみると、商品が並んでいない棚が…。「令和のコメ騒動」とも呼ばれる“米不足”が起きていたのです。

生鮮食品館サノヤの三輪店長によると、米はそもそも入荷が少なく、入るとすぐに売れてしまう状況だといいます。

一体なぜ、米が不足しているのでしょうか?

生鮮食品館サノヤ 三輪敏也店長:
「去年の猛暑で出来が悪く、ものも少なくて、さらに今年のインバウンドで需要が高まってお米がなくなったんですね。地震の影響もありまして、地震のときに備蓄した米も売れました」

去年の猛暑によって米が品薄だった中、追い打ちをかけたのが最近の地震や台風などを受けた一時的な買いだめ行動だといいます。

品薄を少しでも解消するため、この店で急きょ販売を始めたのがアメリカ産の米「カルローズ」。5キロの米で比較すると、値段は日本産のお米に比べ700円ほど安く、この日は夕方までで約20袋が売れたといいます。

米の加工業者によると、味は少しさっぱりしているという「カルローズ」。実際に食べてみると、日本の米と比べると少し水分量が少ない感じがしますが、もちもちとしていて甘みがありました。

現在は名古屋市内の5つのスーパーで販売されていて、売れ行きは好調だということです。

もうすぐ新米の季節 米不足は解消へ向かうか…

こうした状況の中、期待されるのは今年の新米です。

愛知県内で米の収穫量トップを誇る豊田市で、収穫前の田んぼの様子を見せてもらいましたが、暑さと水不足であまり良い状態ではないようです。この田んぼでは、猛暑の影響で米が白く濁るなど"高温障害"が発生したため、品質が低下してしまうといいます。

さらに、雨が降らない日が続いた影響で近隣のダムの貯水率が下がり、8月上旬から水の供給量が減少。今も一部の田んぼには十分な水が届いておらず、枯れてしまった稲もありました。1週間後に控える収穫を前に、今年の米の量が減るのではと懸念しています。

豊田市の米農家 野田美香子さん:
「この数年、経費だけでも2~3倍。お米の値段は変わらずにきているので、ただでさえ米が店頭にないと言われて、少しずつ価格も上がってますけど、申し訳ないけどお米の値段は上げさせてくださいっていう状況ですよね」

JAあいち豊田は「今年は去年以上に猛暑が続いたため、高温障害の米が多いことが予想され、現時点で例年並みの米が収穫できるかは分からない」としています。

一方、早場米の産地として知られる三重県紀宝町では、稲の収穫時期を迎えていますが、今年は台風の被害もなく豊作だということです。

農林水産省はこの「米不足」に対し、「決して米の在庫がなくなるわけではなく、これからは新米も出回るので、安心して米を購入してほしい」としています。
中京テレビのニュース