知ると楽しい「マンホール」の世界!記念カードに2時間待ちの行列、ディープな魅力にハマる人続出!
愛知県岡崎市で「マンホールサミット」が中部地方にて初開催。来場者は1万人以上を記録、2時間にも及ぶ大行列も見られるなど大きな盛り上がりをみせた。街の特色や由来を映した多彩な蓋のデザインをはじめ、マンホールカードや色つけ体験など、マニアックな魅力が好奇心を刺激する「マンホール」の世界を取材。
今月21日・22日に、愛知県岡崎市にて「第11回マンホールサミット」が開催。下水道事業100周年を迎えた岡崎市が誘致し、中部地方では初開催となるビックイベントだ。会場には全国各地の“マンホールの蓋”が、サミット史上最多となる151枚が集結。東京や大阪、茨城など様々な県から、マンホールをこよなく愛する“マンホーラー”たち約1万3000人が来場した。なかでも注目を集めたのが、岡崎市下水道100周年を記念した「マンホールカード」。本イベントでしか手に入らない限定カードを求めて、配布コーナーではなんと2時間待ちの行列が発生!行列のなかには、「(会場に)朝日昇ってちょっとすぎくらいに来た」という来場者の姿も見られた。
「マンホールカード」とは、ご当地の名物や観光名所などをモチーフとした“マンホールの蓋”が印刷されたカード。現在まで968種類のカードが発行されている。来場者は「地域によって柄が違うし、由来なども書いてあるので、見ていてめちゃくちゃ楽しい」とカードの魅力について語った。また、会場では全国から集まった“マンホーラー”同士で、手持ちのマンホールカードを交換するシーンも見かけられた。
本イベントを担当するのは、「岡崎市役所」の上下水道局経営管理課に務める小林也寸志課長。自身も“マンホーラー”という小林さん。イベントについて、「(マンホールの)蓋の向こうに下水道の世界がある。それがみんなの生活を支えていることを、一番知ってもらいたいと思っています」と想いを寄せた。蓋の写真をコレクションする人もいるほど、多彩な蓋のデザインも魅力的なマンホール。会場でも、全国各地から集まった蓋をじっくり眺めたり、カメラで撮影したり、さまざまなスタイルで蓋を楽しむマンホーラーたちの姿が印象的だった。
なかでも小林さんが注目した蓋は、世界遺産「姫路城」のマンホールの蓋。瓦の様子まで細かく描かれた蓋を、小林さんは「一点モノの宝石のような存在」と評した。
2日間で満席に!マンホーラー憧れの「マンホール色つけ体験」
知れば知るほど、魅力にハマっていく「マンホール」。マンホーラー歴20年以上のさゆりさんは、お気に入りのマンホールの蓋をプリントした自作Tシャツで来場。
「イベントが楽しみすぎて作っちゃいました」と語る彼女のバッグには、マンホールの蓋を刺繍した様々なブローチが飾られていた。そんなさゆりさんには、来月に楽しみにしている体験がある。それは、マンホーラー憧れの「マンホールの色つけ体験」だ。
中京テレビ「キャッチ!」の記者も、実際に「マンホールの色つけ体験」を体験させてもらった。実施しているのは、名古屋市熱田区にある「ミドリ商会」。国内でも珍しい、マンホール用の塗料などを扱う会社だ。ミドリ商会・水野雄介さん曰く、「(マンホール用塗料を扱っているのは)おそらくこの地域では弊社だけ、日本でも数社くらい」。体験枠はなんと、告知からたった2日間で満席になったそう。思わぬ反響に水野さん自身も驚いたという。
マンホールの塗装は実は手作業で、職人がひとつひとつ色をつけていく。ミドリ商会では、耐久性を持たせるため、塗料を分厚く塗れるように設計。一般的な塗料に比べ、一回の塗装で100倍の厚みを出すことができ、踏まれても塗料が剥がれにくいという。
普段、注目されることが少ない「マンホール」。しかし、その魅力を探っていくと、街の魅力やデザインの美しさ、職人の技を体感できるワークショップなど新たな発見で満ちあふれていた。前を向いて歩くことも大切だが、たまには足下を見てみるのもいいかもしれない。