南海トラフ巨大地震 新たな被害想定を来月末に公表の方針
国は南海トラフ巨大地震が発生した場合の新たな被害想定を来月末に公表する方針です。死者数や経済的被害のほか、近年の地震災害で課題となっている災害関連死についても想定に盛り込むことにしています。
今後30年以内に80パーセント程度の確率で発生するとされている南海トラフの巨大地震をめぐっては、国が2012年から翌年にかけて被害想定をまとめ、最悪の場合
▼死者 約32万3000人
▼避難者 約950万人
▼全壊・焼失の建物 約238万6000棟
▼経済的被害 約220兆3000億円
にのぼるとしています。
さらに国の基本計画では、想定される死者数を10年間で約8割減らすなどの目標を立て、津波避難タワーの整備や住宅の耐震化など防災対策が進められています。
こうした被害想定について、前回の被害想定公表から10年あまりが経過したことから専門家らによる国のワーキンググループが最新の状況をふまえて議論を重ねてきましたが、3月末に新たな想定を公表する方針です。
新たな想定では前回公表された最大クラスの地震がおきた場合の死者数などが見直されるほか、新たに、避難生活の過程などで体調を崩して亡くなる「災害関連死」についても盛り込む見通しです。
被害想定をまとめた報告書は当初2024年1月の公表を目指していましたが、能登半島地震の対応や、課題の検証をうけて、大幅に遅れていました。