14歳女子中学生が「脅迫メール」 池袋暴走事故遺族・松永さん「反省して未来を生きて」
池袋暴走事故の遺族・松永拓也さんを脅迫したなどとして、14歳の女子中学生が書類送検されました。女子中学生は「殺してあげよっか」などと書いたメールを送っていたということです。
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交通事故で妻・娘を亡くした松永拓也さん(38)
「交通事故を1つでも減らしたい。同じ思いを誰にもしてほしくないと思って、命と向き合って、この5年間生きてきたから、『殺す』『死ね』という言葉を使ってしまったその子。やっぱりすごく悲しかった」
28日午後9時ごろ、『news zero』の取材に、自身が受けた「誹謗(ひぼう)中傷」について語った松永拓也さん。
5年前、東京・池袋で起きた車の暴走事故で、妻の真菜さん、娘の莉子ちゃんを亡くしました。その後、「交通事故をなくしたい」と各地で講演会を行っていますが、そこでもう1つ訴えているのが、社会にあふれる「誹謗中傷」をなくすことです。
松永拓也さん(38)(沖縄・西原町 25日)
「誹謗中傷を平気で、顔が見えないからとしてしまう方が、SNSはやるべきではないと考えています」
こうした中、今年9月にも松永さんを中傷するメールが。
松永拓也さんのXより 今年9月に届いたメール
「そんなに辛いなら私が変わりに殺してあげよっか?笑」(原文)
「家いったろか?特定して笑」
松永さんが所属する団体などに、こうしたメールを送り脅迫したなどとして28日に書類送検されたのは、14歳の女子中学生でした。
さらに、松永さんが参加する講演会を開催した愛媛県の松山市役所にも「やる意味あるの」「妨害しにいってやろうか」などとメールを送信。市が警備を強化する事態に発展しました。
事故をきっかけに表に立つようになり、多くの“心ない言葉”に苦しめられてきた松永さん。今月には、交通事故鑑定人の福岡市の男性がXを使って松永さんを中傷したとして、東京簡裁が罰金30万円の略式命令を出しています。
今回、メールを送ったのは女子中学生でした。
女子中学生(14)
「悪いことをしてしまい申し訳ありません。反省しています」
松永さんは、女子中学生の“脅迫メール”について…
松永拓也さん(38)
「私も最初は未成年だとは知らなくて、何よりも驚きと戸惑いっていうのが正直なところですね。莉子(娘)の顔が浮かんですごく悩んだ。(女子中学生には)未来がありますから、しっかりと社会的責任を果たした上で反省をしていただいて、この先の未来を生きていってほしいので、毅然(きぜん)とした対応を、まずはとろうと。自分と他人の命を大切に生きていくきっかけにしていただきたいなと」
その上で…
松永拓也さん(38)
「大きく報道されて、その中学生に対する批判の域を超えた誹謗中傷とか、本人の個人情報を特定しようとする動きとかが見受けられたので。誹謗中傷が誹謗中傷をさらに生む。負の連鎖というのは望まない。誹謗中傷というのは、批判と明確に違うものだから、こういったことが二度と起きないように、私含め社会みんなで考えていきたい」
(11月28日放送『news zero』より)