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東京都知事選の戦略は?──「人が少ない地域から…」川上戦術、過密日程で“金融街ツアー” SNSも舞台【#みんなのギモン】

2024年6月25日 9:58
東京都知事選の戦略は?──「人が少ない地域から…」川上戦術、過密日程で“金融街ツアー” SNSも舞台【#みんなのギモン】
初の週末を経た東京都知事選挙。都知事の小池百合子氏、広島・安芸高田市の前市長の石丸伸二氏、元航空幕僚長の田母神俊雄氏、前参議院議員の蓮舫氏の4候補は、どのような戦い方をしているのでしょうか? 演説のスタイルやSNS戦略を比べました。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「都知事選 みえてきた戦略とは?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●どう戦う? 狙うは○○
●イマドキの選挙 SNS戦略

■告示後初めての週末…4候補の特徴は

山崎誠アナウンサー
「22日と23日は告示後初めての週末となり、各候補者が街頭で熱弁をふるいました。それぞれの候補者がどういった戦略で戦っているのか、まとめました」

「小池百合子氏は川上戦術。石丸伸二氏は、過密スケジュールで多くの場所に。田母神氏は保守層を、蓮舫氏は若い世代をそれぞれ意識しています」

■終盤に都市部へ繰り出す戦術の狙い

「まずは、小池氏の川上戦術から。遊説をする場所を選ぶ際、まずは山間部など人が少ない地域から始め、終盤に都市部に繰り出すということです。『あの人が人口が少ない町にも来てくれた』という評判が徐々に都市部まで広がっていくことが狙いです」

「昔からある戦術で、過去に実行していたのが小沢一郎議員です。小沢議員は田中角栄氏からこの戦術を直接教わったそうです。かつて小沢議員の側近だったことも知られている小池氏は今回、初めての街頭演説の場所として、伊豆諸島の八丈島を選んでいます」

森圭介アナウンサー
「小池氏は八丈島の後、都市部に行かずに奥多摩に行っていますし、これまでの都知事選でも島しょ部から始めていますよね。これが小池氏の戦い方なんだろうなと思います」

■朝8時~夜7時頃、6か所で演説

山崎アナウンサー
「続いて石丸氏です。24日の演説予定は午前8時から午後7時頃まで、計6か所をめぐる日程です」

斎藤佑樹キャスター
「演説ってこんなにするものなんですね」

山崎アナウンサー
「多く見えますよね。国政選挙などではよくありますが、今回の都知事選で他の候補者と比較すると、圧倒的に多い数です。24日は『金融街ツアー』と銘打ち、証券会社や金融機関が多く集まる場所で演説を行っていました」

「自身が勤めていた三菱UFJ銀行の本店前(千代田区)では、『石丸伸二の武器、何よりも経済を知り、そして経済の力が使える。東京都知事を目指すことをここに宣言します。どうぞご期待ください』と声を張り上げました」

河出奈都美アナウンサー
「小池氏と石丸氏だけを見ても、演説する場所も含めて戦い方や戦略が全然違うんだなと感じました」

■親交のあるタレントが応援演説

山崎アナウンサー
「池袋で22日にあった田母神氏の演説では親交のあるタレントのデヴィ夫人が応援に駆けつけました。『田母神俊雄です。75歳です。年齢の詐称はしておりません」と田母神氏が言うと、隣のデヴィ夫人が『私84歳です。元気です。75歳はまだ若いです』と話しました」

田母神氏は保守派の受け皿を目指していて、保守層を意識した教育政策などを訴えています。22日は「教育を正常化して自信と誇りを持った日本人を育てることを頑張っていきたい」などと主張していました。

■制服姿の若者に声をかけるスタッフ

山崎アナウンサー
「続いて蓮舫氏です。若い世代からの支持を獲得したいという狙いが、街頭演説にもにじみ出ていました」

「『職場で働く若い人たち、働きたいという若い人たちの奨学金を、東京都が返済を支援したい。若い人たちの待遇を思いっきり改善していくことこそが…』などと訴え、『若い人たち』と連呼していました」

「さらに演説中、陣営スタッフが制服姿の若者に声をかけたり、直接チラシを配ったりする様子も多く見られました」

刈川くるみキャスター
「自分たちの世代に向けての公約があると身近に想像できるので、いいのか悪いのかという判断はしやすくなりますよね」

山崎アナウンサー
「『若い人たち』と聞くと、聞いている方の印象も変わるかもしれませんよね」

■SNSのフォロワーや登録者数は?

山崎アナウンサー
「22日に有楽町駅前で行われた石丸氏の街頭演説では、演説中に何台ものカメラが石丸氏の姿を追っていました。この人たちはSNS用の写真や動画を撮る、石丸陣営の撮影部隊です」

「各候補者本人のSNSのフォロワーや登録者数(24日午後1時半時点)を比べました。Xは小池氏が最も多く約91万人。次いで蓮舫氏が約56万人、石丸氏は約47万人、田母神氏は約39万人です」

「Instagramは小池氏が約8.9万人と圧倒的に多くなっています。石丸氏はなく、田母神氏が1964人、蓮舫氏は約1.4万人です。YouTubeは石丸氏の登録者数が約19.6万人。小池氏の約3000人、田母神氏の約1万人、蓮舫氏の約8000人より圧倒的に多いです」

森アナウンサー
「もちろんこのフォロワー数の中には東京都民以外の方もいます。これがイコール都知事選にどれぐらい影響するのかは一概には言えないと思いますが、演説の時間外でもインターネット上で選挙活動ができると考えれば、大きい数ではありますよね」

山崎アナウンサー
「陣営のスタッフが撮影をして配信もしています。今回は東京都知事選ですので、見ている方の全てが有権者かどうかは分かりませんが、こういった方法もあるということです」

■新しいイメージを打ち出せるSNS

山崎アナウンサー
「SNSは政策だけではなく、政治家としての一面以外の人柄や、これまでにないイメージを打ち出すためのツールにもなっています」

「例えば小池氏はInstagramで『これ私普段に着てるもので、母の着物をリメイク。こうやってジャケットにして(6/13の)記者会見の時の…』と動画で紹介しました」

山崎アナウンサー
「蓮舫氏は、Instagramのライブ配信を行いました。『これもう見えてるのかしら。こんばんはー、見えてます? 蓮舫だよ』と語りかけました」

「田母神氏もハッシュタグを作ったり、1日に何度もコメントを投稿したりするなどしてアピールしています」

斎藤キャスター
「若い方が政治に興味を持つ機会になればいいなと思いますね」

森アナウンサー
「親しみやすさはもちろん大事ですが、一番大事なのは候補者の方々が一体どんなものを届けたいのか、どういう東京にしたいのかだと思います」

「SNS戦略で選挙活動のやり方は大分変わってきたと思います。もちろんイメージは大事ですが、有権者は東京をどう変えてくれるのかをきちっと見てほしいなと思います」

■56人が立候補、投開票は7月7日

山崎アナウンサー
「まずはどういった公約を持っているのかも注目されます。時代の移り変わりとともに訴える内容や伝える方法も変わってきていると思いますし、有権者の情報収集の術が増えたことは、ポジティブにとらえられると思います」

「東京都知事選には過去最多の56人が立候補しています。投開票日は7月7日です」

(2024年6月24日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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