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【都知事選】小池氏と蓮舫氏、“同日”に公約発表──違いは? イチ押しは「首都防衛」「若者支援」 対抗意識も?

2024年6月19日 9:19
【都知事選】小池氏と蓮舫氏、“同日”に公約発表──違いは? イチ押しは「首都防衛」「若者支援」 対抗意識も?
20日告示の東京都知事選には、50人以上が立候補を表明しています。現職の小池知事と蓮舫参議院議員はともに18日、公約を発表。違いはどこにあるのでしょうか?元航空幕僚長の田母神俊雄氏、広島・安芸高田市の前市長石丸伸二氏も公約を明らかにしました。

■小池氏が目指す「3つのシティ」

18日午前10時ごろ、“勝負カラー”であるグリーンのスカーフを身につけた小池百合子都知事。3選を目指す都知事選の公約を発表しました。

「『もっとよくなる東京大改革3.0』を掲げまして、この度の東京都知事選挙に出馬をいたします。都民とともに都政を爆速で進めてまいります」

これまで都民に呼びかける際、「3つの密」などキャッチフレーズを使ってきた小池氏。今回は「3つのシティ」というフレーズを掲げました。会見で「セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティ。『3つのシティ』を目指すべき都市像に据えまして…」と語りました。

これらを達成するため、ミサイル飛来に備えたシェルターの整備や無痛分娩費用の助成、防犯カメラの設置拡大などを進めるとしました。

小池都知事
「大目的は、東京を世界で一番の街にすることであります。そのためには都民の命と暮らしを守る、あらゆる危険・災害に備える、それが首都防衛です。首都防衛こそ必要です」

■蓮舫氏が掲げる「7つの約束」とは

小池氏の会見から約4時間後、蓮舫参議院議員が公約を発表しました。

「あなたと次の東京へ。私は都知事になって7つの約束を実現していきたいと考えています」

蓮舫氏が掲げたのは、「現役世代の手取りを増やす」「本物の行財政改革」という2つの柱を軸に進めていくという「7つの約束」です。「若い人が何かを諦めないで済む。そんな東京に今すぐ変えていきたいと考えています」と訴えました。

また、現在の都の財政について批判も展開しました。

蓮舫氏
「小池都知事が行革を行って8年間で8100億円確保したと胸を張るところ。でもこれを調べると、驚くことに確保した財源の積算根拠が全く見えません。その実態を誰も検証できません。まさにブラックボックス化です。私はここを開きます」

「誰もがチェックをすることができる、ガラス張りの都財政を実現する」

■田母神氏は「世界が認める東京を」

同じく立候補を表明している元航空幕僚長の田母神俊雄氏も18日に公約を発表。「世界が、さすが日本の首都と認める東京を目指したい」と語りました。

■石丸氏が打ち出した改革の「三本柱」

広島・安芸高田市の前市長、石丸伸二氏は17日に公約を発表しました。「政治再建」「都市開発」「産業創出」を改革の三本柱として打ち出しています。

■防災をめぐる小池氏と蓮舫氏の公約

藤井貴彦キャスター
「17日と18日で石丸氏、小池氏、蓮舫氏、田母神氏の4人の公約が発表されましたが、どんな内容なのでしょうか?」

小栗泉・日本テレビ解説委員長
「それぞれの候補予定者が公約の一番最初に掲げた項目、つまりイチ押しの政策に注目してみたいと思います」

「現職の小池氏は『首都防衛 あらゆる危機からもっと! 都民の命と生活を守る』と、防災重視を前面に出してきました。一方、蓮舫氏は『現役世代の手取りを増やす本物の少子化対策』と、若者への支援を強く打ち出しています」

藤井キャスター
「具体的にはどういうことでしょうか?」

小栗委員長
「小池氏の防災について、東京23区に広がる木造住宅密集地域の解消促進や無電柱化の推進、ミサイルの飛来に備えたシェルターの整備などを進めるとしています」

「では、蓮舫氏は防災についてどう考えているのか。防災という項目は『7つの約束』の7番目、一番最後でした。『良い政策は発展させる』という項目の中に『命を守る防災』とあります」

「具体的には、プライバシーを確保する個室テント、水道が止まっても使えるトイレトレーラー、スマホ充電の不安解消といった対策を充実させるということです。良い政策は続けることが前提だと、小池都政を一定程度評価していると読み取れます」

■蓮舫氏が訴える若者支援、小池氏は?

藤井キャスター
「一方で、蓮舫氏は若者支援を強く打ち出しました」

小栗委員長
「若者の手取りを増やし、望めば結婚できる、子どもを産める東京にする。それが本物の少子化対策だと訴えました」

「そのために、非正規格差の解消、東京都の非正規職員の順次正規化、住民税非課税の多子世帯への家賃補助制度、保育・教育・介護・医療で働く人の奨学金返済や家賃支援の拡充などを掲げています」

「これに対し、小池氏は公約の2番目に掲げた『子育て・教育』の中に若者支援の項目があります」

「無痛分娩費用の新たな助成、現在第2子からの保育の無償化を第1子まで拡大する、子育て世帯への家賃負担の軽減、返済の必要がない大学の給付型奨学金制度の創設といったメニューが並びます」

「両氏ともに、家賃や奨学金など似たような支援に着目した項目もあります」

■8年前を意識? 小池都政への対抗も

藤井キャスター
「小池氏は現職、蓮舫氏は挑戦者ということになります。対抗意識のようなものは感じましたか?」

小栗委員長
「いくつか感じられました。蓮舫氏は今回『7つの約束』を掲げましたが、これは小池氏の8年前の公約にあった『7つのゼロ』と数をそろえています」

「また8年前に小池氏が『自民党都連はブラックボックス』と批判したのを意識してか、蓮舫氏は小池氏が捻出したと胸を張る財源に触れ『8100億円の財源はブラックボックス』と、同じフレーズで批判しています」

「蓮舫氏はかつて事業仕分け(民主党政権下、2009年)で名を馳せましたが、『行財政改革は私の専門分野だ』『ガラス張りの都政にする』と小池都政に対抗しています」

■石丸氏と田母神氏が力を入れる政策

藤井キャスター
「他の候補予定者が力を入れる政策には、どんなものがあるのでしょうか?」

小栗委員長
「石丸氏は『政治再建』として、都政の見える化・わかる化などを進めるとアピール。田母神氏は『災害に強い街 東京を作る』として、水や食料の1週間分の備蓄などを公約の第一に掲げています」

藤井キャスター
「今回はかなり多い候補者になりそうですが、波瑠さんは何を重視しますか?」

波瑠さん(俳優・『news zero』火曜パートナー)
「子育て支援はもちろん大切なのですが、そのお金をどこから充てるのか、税が上がるのかなども気になります」

「例えば今子育てをしている、していないにかかわらず、社会にどのように還元されるのか見えやすくなるといいなと思います。誰しもが恩恵を感じられる平等さも実現されればと思います」

藤井キャスター
「これまでに50人以上が立候補を表明している都知事選。20日告示、七夕の7月7日に投開票が行われます」

(6月18日『news zero』より)