車道の中央で記念撮影…畑の中に立ち入りも 外国人観光客の「マナー違反」問題に
水際対策が緩和され、外国人観光客が徐々に戻ってきています。しかし、観光地では畑の中に入ってしまったり、車道の中央で記念撮影をしたりするなど、外国人観光客のマナー違反が問題になっています。
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ゆるやかな丘が広がる雄大な景色が魅力の北海道美瑛町。雪景色が韓国などのSNSで人気となっていて、水際対策の緩和後、外国人観光客が撮影のため、ツアーバスで次々とやってきます。
しかし、車道をふさぐように写真を撮る観光客の姿が…。逆立ちをする男性や、車道に座り込んで撮影する女性もいました。先月ごろから、外国人観光客のマナー違反が問題となっているのです。
地元の観光協会がパトロールにあたり、「車来たよ! ちょっとあけて!」と声をかけるなど、神経をとがらせています。
美瑛町観光協会
「クラクション鳴らしても、よけてくれないですよね。車が来た時、1番ひやひやする。ぶつかったら大変なので」
問題は、これだけではありませんでした。観光客が勝手に畑の中に立ち入っているのです。「入ったらだめよ! Do not enter,OK?」と注意をする様子も。固く踏みしめられた雪の下には、秋にまいた小麦の種が眠っているため、農家は生育への悪影響を心配しています。
美瑛町の農家
「踏まれることで雪が固く締まって、春先に解けづらくなる。残念というか腹立たしい」
道路に面した場所には、畑に立ち入らないよう様々な言語で呼びかける看板が設置されていますが、気にする様子はありません。美瑛町ではコロナ禍の前にも、観光客が畑の中に入るトラブルが相次いでいました。
美瑛町の農家からは、「注意喚起の動画を空港で流したり、対応はしてくれているのに、(マナー違反が)止まっていないのが現状」と困惑の声が聞かれました。
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外国人観光客のマナー違反は、富士山の人気撮影スポットでも増えていました。
昭和レトロな商店街と、雄大な富士山を撮影できる山梨・富士吉田市の本町通り。撮影スポットとしてSNSなどで話題になり、多くの外国人観光客が訪れています。
しかし、ここでも、観光客が車道の中央で集合写真や、富士山を撮影していました。車道に出て記念撮影をしていた親子の姿も。直後に車が通り、ヒヤッとする場面もありました。道路をふさいでしまい、車が通行できなくなるケースもあるといいます。
地元の商店街は客足の回復を歓迎する一方で、複雑な声も聞かれました。
商店街の店主
「危ないですね。遠くから来て富士山を撮りたい気持ちは、すごく分かるんですけどね」
観光地にとっては、ありがたい存在でもある外国人観光客。マナーの徹底をどう伝えていくのかが課題です。