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新型コロナ患者急増…自己負担に困惑 検査費や高額な“治療薬”…どうする?【バンキシャ!】

2024年7月22日 10:26
新型コロナ患者急増…自己負担に困惑 検査費や高額な“治療薬”…どうする?【バンキシャ!】

新型コロナウイルスの感染が全国的に急増するなか、2023年9月まであった公費による支援が無くなりました。特に自己負担額が大きくなった治療薬は、約1万5000円から3万円に…。医療現場などを取材すると、ある変化も起きていました。【バンキシャ!】

19日、バンキシャ!が取材したのは、千葉市にあるクリニック。「発熱外来」の受付には…

バンキシャ
「朝からひっきりなしに患者さんが来ています」

こちらは18歳の大学生。前の日に発熱し受診。熱は38.8℃まで上がっていた。

医師
「きょうから熱も上がってきたんですね。喉の痛みはありますか?」

大学生(18)
「つばを飲み込むと喉が痛いです」

医師
「抗原検査をしたところ、コロナが陽性と出ています」

また、別の患者も。

医師
「事前にコロナの検査を受けていただきまして、コロナの陽性が出ております」

7月に入り、新型コロナウイルスの感染者が急増。

治療薬について薬局(アイン薬局/千葉市)で聞いてみると…

薬剤師
「4月から薬代が自費になったことで、患者の金額的な負担がかなり増えてしまった」

薬剤師
「コロナ用の薬だとこのへんですね。ゾコーバが5日分で約1万5000円、ラゲブリオは約2万8000円です」

2024年4月から治療薬の公費による支援が無くなり、患者の負担が増えたのだ。

***

バンキシャ
「3割負担で一番安くても1万5000円」

会社員2人(24)
「えー!」

会社員(52)
「1万5000円はお高いよね」

会社員(53)
「お高いと思う。簡単には出せないかな」

検査や支援のあり方が変わった中で起きた、感染拡大――。その現場を取材した。

20日、街(渋谷区)でコロナ対策について聞いてみると…

会社員(30)
「コロナがすごい流行ったときほど対策はしていないです」

バンキシャ
「マスクはどうですか?」

会社員(32)
「全然つけていない」

会社員(30)
「この前までつけていたんですけど、やっぱりこの気温でつけていると今度は熱中症で倒れるかもしれないから、最近はつけていない」

こちらの学生2人は…

大学生(18)
「手洗いはして、うがいはたまに」

しかし、7月に入りクラスで感染者が出て、学校ではマスクを着用するようになったという。

専門学校生(18)
「久しぶりにマスクつけて生活したので、苦しいなって思いました」

***

7月8日からの1週間の、1医療機関あたりの患者数は11. 18人と、10週連続で増加。北海道と沖縄をのぞく45都府県で前の週を上回った。

その要因の1つが、新型コロナの新たな変異株「KP.3」。感染力が強く、これまでのワクチンが効きにくいとされている。

1日に100人ほどが発熱外来に来るというクリニック(東京ビジネスクリニック/千葉市)。感染拡大を防ぐため、診察開始前にカメラを設置させてもらった。

まず、5類に移行し変わったのが・・・「コロナの検査費用」だ。

看護師
「一応、コロナの検査をおすすめはしているんですけど、希望ありますか?」

患者
「いくらかかりますか?」

看護師
「2500円前後かかります」

患者
「じゃあしておきます」

検査費用の公費支援がなくなり自己負担となったのだ。

医師
「公費の(支援があった)時よりも、検査しなくなった人の割合がかなり多い、増えたと思う」

専門家は「感染者数は実際にはもっと多いのではないか」と指摘している。

そして2024年4月から変わったのが、治療薬の“自己負担分”が増えたこと。国内で処方される3つの治療薬は、3割負担で1万5000円から3万円近くもかかるのだ。

看護師
「こちらにおかけください」

こちらは29歳の会社員。「陽性」となり38℃以上の高熱に加え、のどの痛みも訴えている。医師の判断は…

医師
「基本的には対症療法の熱冷ましの薬と、のどの炎症をとる薬を使わせていただきます」

処方したのはコロナの治療薬ではなく、解熱鎮痛剤とせき止めの薬。

その後、処方箋をもって薬局へ。

薬剤師
「お会計が620円になります」

解熱鎮痛剤など4つの薬で総額620円だった。

東京ビジネスクリニック 内藤 祥 医師
「リスクがない方には特に薬は必要ないとされていますので、あくまで重症化する可能性のある方にのみコロナの治療薬が必要との考えで、患者さんを絞ってすすめている」

一方、高額な治療薬を買う判断をした患者も…

20日、バンキシャ!が取材したのは、12日に新型コロナの陽性判定をうけた70代の男性。

コロナに感染(72)
「38.5℃か38.6℃くらい出たのが一番(高かった)」

せきも止まらなかったという。高齢で持病もあったため医師からは重症化を防ぐための薬「ラゲブリオ」をすすめられたという。5日分の薬を処方され、支払ったのは1万7730円(2割負担)だった。

コロナに感染(72)
「1万7000円の薬を飲んだことないですからビックリしました」

――それでもこの薬にしたワケは。

コロナに感染(72)
「最悪は命を失うかも分からない。(金額が)高いという気持ちはありましたけど、薬を飲んで早く治したいなというのがありました」

*7月21日放送『真相報道バンキシャ!』より