子どもへのワクチン接種 「意義」「副反応」プロの見解分かれ…大人の役割は
子どもの新型コロナウイルス感染も急増する中、26日、厚生労働省の専門部会は5歳から11歳へのワクチン接種について、無料で打てるようにする方向で了承しました。子どもへの接種について、どう考えればいいのでしょうか。
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■子どもへの接種“意義”小児科のプロでも見解分かれ…
小栗泉・日本テレビ解説委員
「小児科のプロの間でも見解が分かれているんです。5歳から11歳への接種について、日本小児科学会は『12歳以上の健康な子どもへのワクチン接種と同様に意義がある』としています。一方、日本小児科医会は『そもそも重症化することがまれな小児期のワクチン接種の意義は、成人・高齢者への接種と同等ではない』としているんです」
有働由美子キャスター
「トーンが違いますね」
■副反応「頻度低かった」に対し「確率高い」…一方で“見解一致”も
小栗
「さらに、副反応についても、日本小児科学会は、海外でコロナワクチンを打った例をあげて、『16歳から25歳と比べると、5歳から11歳の子どもは、一般的に接種をした後、副反応が出る頻度は低かった』としています。日本小児科医会は、『この年齢に接種されている他のワクチンと比べると、むしろ副反応が出る確率は高いと想定される』としています」
有働
「こう言われると、保護者にとっては、打った方がいいのか、打たない方がいいのか、すごく悩むところですが…どっちですか?」
小栗
「これ本当に判断が難しいんですけれども、どちらの団体も、『ぜんそくや心臓病などの基礎疾患がある子どもを守るための選択肢が広がることには意義がある』、また『周りの大人へのワクチン接種が大事』ということでも一致しています」
■“児童に接種の有無を聞かない”大人がすべきケアは
小栗
「国立成育医療研究センターの賀藤病院長は、判断するのは保護者だとしても『打つことのメリットや副反応が出るかもしれないことなど、子どもに説明して意見を聞いてほしい』と話しています」
有働
「辻さんは、子どもへのワクチン接種をどうみますか?」
辻愛沙子・クリエイティブディレクター(『news zero』パートナー)
「どうしても本人の意志で決められない年齢だと思うので、だからこそ、子どもたち同士でいじめや差別がおきないように大人がケアしていく必要があるんじゃないかなと思います」
「例えば、学校の先生がみんなの前で児童に接種の有無を聞かないようにしたりとか、親御さんもただでさえ、子育てや在宅ワークで大変だと、会社のメンバーを見ていても思うので、自分含め社会全体でサポートしていく必要があるかなと思います」
有働
「ワクチンでの差別は、大人でもあってはならないことですけれども、子どもの世界ではもっともっと慎重に、打つ、打たないでもめたり、友だちづきあいを変えたりしないように、大人がしっかり環境を整えてあげたいですね」
(1月26日放送『news zero』より)