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子どものワクチン接種どうしたらいい?

2022年1月22日 7:35
子どものワクチン接種どうしたらいい?

オミクロン株の流行で、急速に広がる新型コロナウイルスの感染。子どもへの影響や、3月にも始まる見込みのワクチン接種について専門家に聞きました。

子どもなどの新型コロナウイルス患者の受け入れをしている国立成育医療研究センター。賀藤均病院長に、子どもへのオミクロン株の影響やワクチン接種について聞きました。

――オミクロン株が流行してからの感染状況は?

特にどの経路からの感染が多いというよりは、人と接触のある機会全てから感染しているなという印象を持っています。そのスピード感は第5波の最盛期と比べてもだいぶ速くて、急に入院患者数が増えていると感じています。第5波までと違う特徴が今見えていて、このように急激に(子どもの)患者数が増えていますので、基礎疾患があるお子さんがコロナにかかって、入院するということが増えています。

――病床の使用率は?(取材した1月20日時点)

病床の使用率を先月と比べるとオミクロン株が流行するまでは全く(患者が)いませんでしたから、10日ぐらいで40%まで上がってきたということですね。一番強調したいのはですね、少なくとも12歳未満、今子どもにとってはワクチンもありませんし、新しい薬もないんですね。大人と違いまして、無防備な去年と全く同じ状況で、子どもは感染するということになります。感染者数が増えればそれなりに重症者数や中等症の方が増えてくるだろうと。実際にアメリカでは小児病院に入院する患者さんが2倍から3倍に増えていますので。だから今後そのような事態になるのではないかなとちょっと恐れています。

――オミクロン株でも子どもは重症化しにくい?

重症化しやすいかどうかは、今のところは不明と言わざるを得ないだろうと考えています。ただ言えることは、急激な感染者数の増大によって、基礎疾患を持っている子どもたちも感染しています。新型コロナ感染症が重症化する場合と、基礎疾患がある子どもがかかって、もともとの病気が重症化する、色々なパターンがありますので、現状のこの感染者数の急激な増大は、子どもにとっては大変危機的な状況になりつつあるではないかと考えてはいます。

――子どものワクチン接種、打つ、打たないはどうやって考えたらいい?子どもへどう説明する?

まず、子どもの意思を尊重するということになります。これは年齢で大きく状況も変わることになると思いますので、学童を対象にしてご説明します。

1つは、子どもはコロナになっても(ほとんどの場合)軽くすみます。たまに入院するほど重くなる人が絶対にいるだろうということを説明していただきたい。ワクチンのメリットは、コロナにかかりにくいですし、重くなりにくいんだと。デメリットは、副反応があります。接種すると大人ほどではありませんが、熱が出たり、注射したところが腫れたり、痛くなったりすることがあり、1日か2日程度でよくなることは説明していただきたいです。

感染した場合はどうなるかというと、家族にうつす可能性が高い。また、家族の中で感染している人だけ別の場所に隔離されます。自宅療養は、なかなか大変だということです。ワクチンを打たない人が多いと、学校閉鎖や、友達と遊ぶ機会が減るかもしれないということも、説明していただきたいと思います。

子どもが、大人に遠慮や我慢して、「遊びたい」なんて言わない可能性が高いんです。外に出て一緒に走り回りたいとか、どこどこに行きたいとか、遊びを楽しみたいということを、多分大人に遠慮して言わない子が多くなっているんだろうと思います。それはあまりいいことではありません。遊ぶとか、学校に行って友達と話し合うとか、そういうことができるようにするためにも、ワクチンを打つ必要があるのかもしれないということはきちんと言っていただければとは思います。

最後は、本人が打ちたくないという場合は、意思を尊重するのが一番だと思います。あと大事なことは、友達でワクチンを打つ人とか、打たない人が絶対出てくるので、打つ、打たないで友達との付き合いを変えることはしないでねということをきちんと説明していただければと思います。

――子どものワクチン接種について保護者はどう考える?

確かに新型コロナウイルス感染症になって、熱が出て、もしかしたら肺炎になって、そういう病気にかからないワクチンのメリットは、誰でも考えているんですが、きちんと考えていただきたいのは、子どもは我慢しているかもしれないということです。遊びたい、友達とどこかに行きたい、学校にちゃんと行きたい、みんなと一緒に大きな声出したいと思っているんだけども、我慢している可能性がある。

第5波までのことを調べると、お子さんでも、うつになっている人が多い。ある程度、自殺するお子さんも増えています。心の健康、学校生活という社会的な関係で子どもに制限をかけてしまうことは、思ったよりも、大きな影響があります。体の病気だけじゃなくて、心と社会的なことも考えて、きちんとワクチンを使っていくことを考えていただければと思っています。

新型コロナにかかりにくいだけじゃなくて、子どもが健全に育っていくということの視点で、ワクチンのことも考えていただきたいと考えています。

――感染しないために家にこもっているのはよくない?

それは避けなくちゃいけないですね。感染したくないというお気持ちは十分わかるんですが、子どもというものは、家族以外の人と接して、色んなことの刺激を受けていかなきゃいけないので、自分の年齢よりも小さいお子さんとの関係もあるでしょうし、大人との関係もある。そういう社会的な関係の中で成長していくので、家庭の中だけでいるのは絶対に子どもの成長にとってよくない。外で色々な方々と接するということも必要なんだということを、ちょっと心に留めていただいて、この感染症と付き合っていくしかないのかなと思ってます。

5歳から11歳の子どもを対象としたファイザー製の新型コロナワクチンについて、後藤厚労相は、国内での製造販売を正式に承認しました。厚労省は、来週、専門部会を開き、予防接種法上の臨時接種に位置づけ、3月以降にも、無料での接種が開始される見通しです。

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