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4日から本格流通 新紙幣入手は? 20年前は1年間で約6割入れ替わる “便乗”詐欺にも注意【#みんなのギモン】

2024年7月5日 9:43
4日から本格流通 新紙幣入手は? 20年前は1年間で約6割入れ替わる “便乗”詐欺にも注意【#みんなのギモン】
3日、20年ぶりとなる新紙幣の発行がスタートしましたが、実は4日からが多くの金融機関で扱われる「本番」です。本格的に新紙幣の流通が始まりました。

そこで今回の#みんなのギモンでは、「きょうから本格流通 新紙幣 入手は?」をテーマに、次の2つのポイントを中心に解説します。

●ATM10台回ってみたら?
●早くも都内で…詐欺に注意

■4日から本格流通 新紙幣入手は?

新紙幣に両替した人
「会社に戻って見せます。みんなに」
                      
新紙幣に両替した人
「飲み屋に行って、きょうはカードじゃなくて、新しい紙幣で現金で支払おうかな」

小林史・日本テレビ解説委員
「東京・港区にあるメガバンクの支店では、4日朝から新紙幣への両替が始まりました」

「一方、日本銀行は識別番号の若い紙幣を、お札の人物にゆかりのある自治体や団体などに贈呈していて、東京・北区の渋沢栄一記念財団では『Aの5』と記された1万円紙幣のお披露目が行われました」

「本格的に流通しているわけなんですけれども、ご自分のスマホケースにラーメンを食べる用に千円札一枚入れている、という森さん。千円札、新しくなっていますか?」
      
森圭介アナウンサー
「私がお守りがわりに入れているお札は、旧紙幣です」

桐谷美玲キャスター
「私もまだ手に入れていないんですけど、周りでも『旧紙幣って使えなくなったんだっけ?』と言っている人がいました」

小林解説委員
「ちゃんと使えるんですけども、『古いお札が使えなくなる』というウソをかたる高齢者を狙った詐欺というのが早くも確認されています」

■ATMから新紙幣は入手できる?

小林解説委員
「そこで、きょうのポイントがこちら」

「まずは、本格流通ということで、ATMから新紙幣を入手することができるのか? 4日、every.スタッフが実際に回ってみました」

石野直哉・every.スタッフ
「これからATMで現金を引き出してみます」
「引き出してみると…すべて旧紙幣」

小林解説委員
「午前中から都内のATMを10か所まわりましたが、引き出しても引き出しても新紙幣は現れず」

カメラマン
「どうですか?」

石野スタッフ
「(10台目も)旧紙幣でした」

小林解説委員
「結局、最後まで新紙幣にお目にかかることはできなかったんですね」

鈴江奈々アナウンサー
「3日と4日と、ATMチャレンジを私もしたんです。けれども、やっぱり新紙幣にはお目にかかれませんでした」

小林解説委員
「というわけで、別のスタッフが3日に銀行の窓口で両替して入手した新1万円札と新5千円札、新千円札です。まだまだ、街中のATMでは入手が難しいようですが…」

■20年前は1年間で約6割が新紙幣に…

小林解説委員
「それには理由があるんですね。きょう、銀行関係者に聞いてみたところ、いま多くのATMには元々入っていた旧紙幣が残されているわけです。これらの旧紙幣が少なくなったところで、それ以降は新紙幣を補充していくので、一定時間がたてばATMの中身は新紙幣が多くなっていくわけなんです」

「ただ、ATMは預け入れもしますから、誰かがATMに紙幣を預けると、そのまま中でスタンバイされるわけなんですね。いまは旧紙幣を使う人がまだ圧倒的に多いので、私たちがお金を引き出すとまだまだ『旧紙幣』が出てくる可能性が高いということなんです」

「ただ、レアケースとして、誰かが『新紙幣』を預け入れば、栄一さんと諭吉さんが混在することもありそうです」

森アナウンサー
「例えば5万円をおろしたら、旧紙幣、旧紙幣、新紙幣、新紙幣、旧紙幣というパターンもあるということですね」
          
忽滑谷こころアナウンサー
「入れ替わりがちょっとずつだと思うんですけど、当たり前に私たちの手元に新紙幣が手に入るというのは、どのくらいかかるんですか?」

小林解説委員
「20年前に新紙幣に入れ替えた時には、1年間で(ATM以外も)およそ6割が新紙幣に変わったそうですが、4割は1年たっても旧紙幣のままだったということなんです。新紙幣が出てくるのが当たり前になるのというのは、しばらくかかりそうですね」

■早く入手したい場合は銀行窓口などで

鈴江アナウンサー
「どうしても新紙幣を入手したいという人は、やはり銀行窓口に行くのがよさそうですか?」

小林解説委員
「そうですね。経済部の日銀・金融担当キャップの渡邊翔記者によりますと、『新紙幣は日銀から金融機関に渡されていくので、やはり早く手に入れたいという人は、“銀行の窓口や両替機”で“確かめてから交換”するのが確実』ということです」

鈴江アナウンサー
「“確かめてから”というのは、そうじゃない(新紙幣が用意されていない)場所があるからということですか?」

小林解説委員
「そうですね。新紙幣、早く手に入れたいという方もいらっしゃると思うんですが、一方で気をつけていただきたいのが、次のポイントです」

■早くも都内で被害4件…詐欺に注意

小林解説委員
「警視庁によりますと、発行が迫った今年3月から新紙幣に便乗した詐欺の被害が、早くも都内でこれまでに『4件』確認されていまして、80代から90代の男女4人がおよそ1500万円をだまし取られました」

鈴江アナウンサー
「早くもこういった詐欺事件が起きていることにびっくりなんですけど、手口はどうやって行われていたんでしょうか?」

■新紙幣に便乗…詐欺の手口

小林解説委員
「犯行は『金融機関』を名乗る人物から電話がかかってくるというもので、『7月から古い紙幣は使えなくなるので新しい紙幣と交換します』といった、ウソの内容を話してきます」

「そして、職員を装う人物が被害者の自宅を訪れて、現金を見せると…『この場では交換できないので、一度預かります』などと新紙幣をもってくるといった話をして、現金を持ったままその場を立ち去ってしまうんです。そのまま、現金は戻ってこなかったということなんです」

忽滑谷アナウンサー
「改めてですが、古い紙幣が使えるということなんですよね?」

■明治18年発行のものも…現在使える紙幣25種類

小林解説委員
「はい、もちろん使えます。日本銀行によりますと、現在有効な紙幣は25種類あって、福沢諭吉、樋口一葉、野口英世の旧紙幣はもちろん使えますし、2000円札も変わらず使うことができます」

「ところで、桐谷さん。古いお札って、どれくらい古いものまで有効かわかりますか?」

桐谷キャスター
「どれだけ古くても、今でも使えるという認識でいます」

小林解説委員
「はい。答えは、一番古いものでは『明治18年(1885年)発行された“大黒さま”の一円札 』が、現在でも使うことができるということなんです」

鈴江アナウンサー
「子どもたちにとってもお札のデザインが変わるって、初めての体験だと思うので、今でも使えるよとちゃんと伝えたいと思います」

小林解説委員
「みなさんが持っているおなじみの紙幣は、今後も有効ですので、『紙幣が使えなくなる』といった言葉はウソです。詐欺には十分、ご注意ください」

(2024年7月4日午後4時半ごろ放送 news every.「#みんなのギモン」より)

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https://www.ntv.co.jp/provideinformation/houdou.html