絶景の滝が“消滅”しハスの花が“全滅” 人気の観光スポットに“異変”が…
今、地元の人や観光客に人気の名所で、異変が起きています。富山県にある絶景の滝や、埼玉県の沼に咲くハスの花が見られなくなる事態が相次いでいます。原因は何かを取材しました。
◇
ハスを見に来た人
「有名だから期待してきたのに」
「だめだった」
「去年はまだ葉っぱがあったけど、今年は何もない」
埼玉県川越市にある「伊佐沼」は、毎年この時期、鮮やかなピンクのハスの花が咲く人気の観光スポットです。しかし、今年はハスの姿がありません。
伊佐沼の蓮を咲かそう会 原田秀一会長
「花が咲く時期なんですけど、ハスの葉っぱもちらほらしかない」
その原因とされているのは“ある生物”です。18日、捕獲のためにしかけたというワナを見に行ってみると、ワナの中にいたのはカメでした。ワナには合わせて4匹がかかっていました。「アカミミガメ」という外来種です。
伊佐沼の蓮を咲かそう会 原田秀一会長
「(ワナに)大型のカメがものすごい勢いでとれるんです。カメが(ハスを)食べているという感覚が一番大きかったので」
伊佐沼では去年、突然、ハスが8割なくなってしまったといいます。原因を調べるため沼にワナをしかけたところ、たくさんかかったのがこの「アカミミガメ」です。18日の取材中にも多くの「アカミミガメ」の姿が見られました。
さらに、ハスが入った容器にカメを入れたところ1日でなくなったことからも、このカメが、ハスが消えた原因の1つとみられています。
一方で、地元の小学生たちと近くの田んぼに植えていたハスは、きれいに咲いていました。
伊佐沼の蓮を咲かそう会 原田秀一会長
「全く同じ育て方をしていますので、こっちにはカメがいないと確認しています」
今後はワナでの捕獲を進めつつ、この田んぼで育てたハスを移植するなどして、絶景を復活させたいということです。
◇
観光地での“異変”は、富山県にある観光スポット「ソーメン滝」でも起きていました。ソーメンに例えられ、白い複数の流れが見られるこの時期は、例年多くの人を魅了します。
しかし先週、滝がこつぜんと姿を消しました。撮影者によると、ここ60年で初めてのことだといいます。いったい何が起きたのでしょうか。
県立山カルデラ砂防博物館 飯田肇学芸課長
「最近の強い雨でどこかが崩れて、泥なり土砂が流れ込んで、これまでの水流をふさいでしまったのが原因ではないかと」
その後の調査で、大雨の影響か河底に穴があき、そこに滝の水が流れ込んでいるのが確認されました。1週間以上たった今も滝は見られないということです。
夏の観光シーズンを前に各地の観光地をおそった“異変”。再び絶景が見られる日は来るのでしょうか。