×

大船渡市の山林火災6日目 被害拡大…約4600人に避難指示、2100ヘクタール焼失

2025年3月3日 20:25
大船渡市の山林火災6日目 被害拡大…約4600人に避難指示、2100ヘクタール焼失

発生から6日目となった岩手県の山林火災。被害が拡大し、いまも懸命な消火活動が続けられています。

   ◇

燃え続けて124時間以上。

記者(3日午前11時ごろ)
「赤々と激しく燃えています。延焼がまだまだ広がっているようです」

火災6日目の3日も焼けたエリアが広がっています。火災が確認されたエリアのうち、2日朝の時点で約1800ヘクタールが焼失。3日朝になると約2100ヘクタールにまで拡大しました。これは、1年間に全国で起きる山林火災の焼失面積の約3倍に匹敵します。

その後も炎が広がり、赤崎町外口地区でも自衛隊のヘリが火災を確認。海沿いから山際まで、複数箇所で火の手があがり、建物も炎に包まれていました。

約4時間半後…

記者(3日午前10時半ごろ)
「建物が複数箇所で燃えてしまっている」

消えない火。これ以上の延焼を防ぐため、自衛隊のヘリが住宅に火の手が及ばないように上空から散水を行いました。それでも午後3時半すぎ、焼け跡の中にかすかな炎が残っていました。

拡大の一途をたどる、大船渡市の山林火災。

3日未明には山で爆発的に燃え上がる瞬間をカメラが捉えていました。木々の隙間から炎が見えた次の瞬間、木が小さく見えるほどの巨大な炎が発生。同時に大量の火の粉が飛び、煙も立ち上りました。炎は市街地側の山肌まで広がりました。

日中も消えない煙に、市民は…

大船渡市民(75)
「毎日こっちの方に迫ってきてますよね。友人なんか友達が多いですから、津波で高台移転して新築した家を、また火事でなくしたら本当に気の毒」

──もう少しで3月11日

大船渡市民(75)
「また祈りがあるけどそれどころじゃない。鎮圧とか鎮火しても結局、避難所生活がしばらく続く、被害者は。周りの人のいろんな援助もありますから大丈夫です。三陸の人は強いですから」

市は現在4596人に避難指示を出しています。3日、避難所では、受験を控えた中学3年生の勉強会が開かれました。

参加した中学3年生
「けっこう不安な部分もあるけど、皆で会って勉強することで少し落ち着く部分もあって、受験頑張ります」

ただ…

大船渡市立東朋中学校3学年主任 中渡真令教諭
「心が折れてしまっている子もいます。自分の家が燃えた写真を私に見せて『先生、何もなくなった』と言う子とか。皆で頑張ろうっていうのを、そっと背中を支えるように伝えられたら」

別の避難所では…

避難する住民(74)
「(火災が)山だけで済んでいればいいけど、もし解除になって(避難所を)出ても、帰るところないとまた大変」

避難する住民(82)
「雨でも降ってくれればありがたい、それだけ」

鎮圧の見通しはたっていない山林火災。大船渡市では5日朝から6日にかけて雪や雨が降る見込みで、火災発生から初めてまとまった降水量となりそうです。

(3月3日午後5時40分ごろ放送『news every.』より)

最終更新日:2025年3月3日 20:25