ジャニーズ会見“指名NG”リスト問題 「エンドレスで荒れる場にしたくなかった」舞台裏知る人物
今月2日に開かれたジャニーズ事務所の記者会見で「指名NG記者」のリストが作成されていた問題で、6日、司会を務めた男性が「リストに沿った指名は行っていない」などとするコメントを発表しました。会見では「NG記者」のはずの記者が当てられる場面もありました。
何が起きていたのか-。その舞台裏を知る人物は、「今回の会見はあくまでも2時間でどう終わらせるか」「エンドレスで荒れる場にはしたくなかった」と話しました。
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6日夜、ジャニーズタレントのグッズを販売する愛知県内のジャニーズショップの前には、営業時間をすぎてもファンの姿がありました。
なにわ男子ファン
「ジャニショもなくなるかなと思って買いに来ました」
――レシート長いですね
なにわ男子ファン
「これもう捨てられない」
6日午後、社名変更に伴い、全国にある店舗での営業を今月16日をもって終了すると発表されました。
オンラインショップにもアクセスが集中し、一時、見られない状態になったのです。
Snow Manファン(東京・渋谷、6日午後)
「あ、すごい。アクセスが集中して見えない、トップページも」
「絶対みんな殺到するよ」
「駆け込みますこれは」
このオンラインショップの営業については「現在調整中のため未定」としています。
社名変更に揺れるなか、6日夜に横浜アリーナで行われたのは「Kis-My-Ft2」のライブです。
ファン歴7年
「中止になっちゃうかなとあったけど、無事にいけてよかった」
一方で、ジャニーズの会見については…
ファン歴7年
「指しちゃいけないリストまであって、やばいなって感じてます。これからどうなるのか全然予想できない」
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今月2日の記者会見では、記者から「批判的な質問する記者を当てないということを明らかにやっているわけでしょ」との声も上がっていました。
会見の運営を任されていた外資系コンサルティング会社が、“指名NG記者”のリストを作っていた問題で、新たな動きがあったのです。
司会・松本和也さん
「すみません、これは司会者として言わせてください。最初に皆さんにお願いしたのは1社1問でございます」
会見で司会を務めたのは、元NHKアナウンサーの松本和也さんです。
記者
「フェアじゃない。ちゃんと当ててください!」
司会・松本和也さん
「いえフェアです。ちゃんと全体を見てますから」
会場からは「フェアではない」との声も上がりましたが、6日夜にコメントを出し説明しました。
まずは、当日渡された「NGリストについて」です。
司会・松本和也さんのコメント
私の手元にありました。スタッフの人から会見の30分ほど前に渡され、顔写真が載せられているうちの何人かの記者やリポーターの方の座っている場所も伝えられました。しかしその際、この順番でこの人に聞くようにという具体的な指示はありませんでした。
会見の30分前にリストを渡されたものの、具体的な指示はなかったと説明。では、指名はリストに沿って行ったのでしょうか。
司会・松本和也さんのコメント
行っていません。理由は、会見2日前の打ち合わせのときに、この記者は指名NGというやりかたはよくないという旨の井ノ原さんたちの発言を直接聞いていたからです。どんな厳しい質問に対してもできる限りきちんと答えたいという姿勢がはっきりと見られたので、会見ではそれを尊重すべきだと思ったからです。そこで私は、会見が始まってすぐ、リストはないものとして進行することに決めました。
そのうえで、指名ができる限り偏らないよう、「指名のしかた」を次のように説明しました。
①
会場を9つのブロックに分けて、そこから1人ずつ指名するようにした。
②
あくまで見た目で同じような性別や年齢層の人などが続かないようにした。
③
最初のほうは、同じブロックの中でも、生中継のテレビの人をわかる範囲で先に指名した。
司会・松本和也さんのコメント
そのほうがそれぞれの中継放送の時間に間に合い、質問がオンエアされやすいと思ったからです。前方に座っていた記者の方のお二人が「指名されないのはおかしい、茶番だ」という声が出ているのも聞こえていました。ただ、私からはそのお二人は指名されなくても大声で質問を繰り返し、東山さんや井ノ原さん、弁護士の方がそれぞれその質問に答える場面があったのを確認したため、最初の原則に則り、二度と指名はしないことにしました。
実際に、生中継中だった番組に出演している芸能リポーターの駒井千佳子さん。関係者によると駒井さんはNGリストとは逆に、特定の記者を指名しようとしていた可能性がある「指名候補リスト」に入っていたといいます。
芸能リポーター 駒井千佳子氏
「正直、とても迷惑な話だなと思いました。今回、事前にジャニーズ事務所から連絡がきたり、コンサル会社から事前に連絡がきたりとか一切ありませんでした」
「こんなところで名前をあげられて、そういう変な目で見られるのは非常に迷惑なことだなと」
一方、「NG記者」リストのほうに入っていた6人のうちの1人、ジャーナリストの佐藤章さんにも話を聞きました。
ジャーナリスト 佐藤章氏
「もちろんフェアじゃないですよね。6人がリストアップされたわけですから」
ところが、「NG記者」のはずの佐藤さんは指名され、「(ジャニー氏の性加害について)うわさでは知っていたけど、よく知らなかったというこの前の会見の話ですけども、その答えというのは社会的には通用しない」と質問しました。
ジャーナリスト 佐藤章氏
「司会者と目と目が合う瞬間がある。そのときにうなずくんですよ。そうすると司会者は本能的に指しちゃうというか」
司会者が間違えて指したのではないかといいます。
関係者によると、「リストは当日、結構多くのスタッフが持っていた。リストに入っている人がくると無線でリストの人が来たこと、服装などを会場内にいるスタッフに共有し座る席の位置の確認をしていた」ということです。
物議を醸した2回目の会見。その舞台裏を知る人物に話を聞くことができました。
会見の舞台裏を知る人物
「今回の会見はあくまでも2時間でどう終わらせるかでした。1回目は謝罪会見でしたのでエンドレスに。しかし今回は、新体制、ガバナンス、被害者救済、名称変更を説明するための会見。1回目の会見とは目的が違いました」
――なぜ2時間で終わらせたかったのか?
会見の舞台裏を知る人物
「エンドレスで荒れる場にはしたくなかったからです」
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ジャニーズ事務所で、6日未明まで続けられていたのは、看板の撤去作業です。朝になると、ゴンドラの足場がおろされていきました。
性被害を訴え補償を求めている人は少なくとも325人。その創業者の名前が完全に撤去されました。
KinKi Kidsファン
「なくなるなんて予想もしていなかったので。私たちが安心して応援できる環境でやってくれたら」
(10月6日放送『news zero』より)