県警の警察官による当時46歳の男性の保護をめぐる訴訟で、二審でも県の訴えが認められなかったことを受け、県警は上告せず判決を受け入れることを明らかにしました。

訴状などによりますと、3年前（2021年）の9月、当時福井署に勤務していた男性警察官が「近隣の住民が 騒音を訴え怒鳴りつけてきた」という通報を受け駆け付けました。

その際、近くに住んでいた男性(当時46)の男性が同様のトラブルが起こしていたことから、「精神錯乱状態で、自分や他者に危害を加える恐れがある」として、警察官は 男性を保護して署まで連行しました。

この問題で、男性側は 警察官が十分に確認をせず、不当に保護をしたとして、県に対し143万円の損害賠償を求める訴えを起こしていました。

9月25日の控訴審では、福井地裁の判決同様、保護の必要はなかったとして、県に対し、男性に33万円の賠償金を支払うよう命じ、県の訴えを退けました。

この判決を受けて、県警は上告しないことを決め、県側の敗訴が確定しました。

県警監察課は「県の主張が認められなかったことは残念だが、判決内容を真摯に受け止め、保護業務にかかる職務執行が適正に行われるよう指導・教養を徹底したい」とコメントしています。