殺処分される猫と犬を減らしたい “シャーシャー猫”限定譲渡会に“動物不在”のペットショップ
年間1万匹以上が殺処分されているという犬と猫。こうした状況の中、一風変わった保護猫の譲渡会が23日に開催されました。
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ふさふさな毛や、くりくりな瞳の猫たち。ただ、その中に、少しまわりをうかがっている猫ちゃんもいました。
ケージのそばには、保護された場所や年齢とともに“人に慣れてないレベル”が記したカードがあり、そこには「シャー! 触ろうとしないでよ! この私に!! 私に!!」との記述も…。
人に慣れていない猫はおびえるなどして「シャー」と威嚇することもありますが、23日に行われていたのは、そんな“シャーシャー猫”限定の譲渡会です。
ちょっぴりおびえているような様子のオレガノちゃんも“シャーシャー猫”です。
譲渡会では、人慣れしているほうがより引き取られやすい傾向にあるといいます。
保護猫カフェねこかつ 萩原夏美さん
「人慣れしていない猫って、やっぱり難易度も高いですし、なかなか(引き取り手が)見つかりにくい」
そこで“シャーシャー猫”の「人に慣れていない個性」を全面に出した譲渡会を開くことにしたといいます。
お客さん
「(家にいる)猫が“シャーシャー猫”なの」
スタッフ
「じゃあ仲良くなれると思います。“シャーシャー”の子同士って相性がよくて、分かり合うものがあるのか、仲良くできると思う」
あえて“シャーシャー猫”に会いに来た人もいました。
猫の引き取りを申し込み・20代
「シャーシャー猫の魅力!? 最初はシャーシャーして人に慣れていないのが、だんだん少しずつでも慣れてくるのが魅力」
猫の引き取りを申し込み・30代
「(先住)猫たちと仲良くしてくれればそれでいいです。シャーされようが何しようがご褒美なんで」
23日は44匹中、半分近くの18匹に引き取りの申し込みがあったということです。
保護されても飼い主が見つからないなどの理由で殺処分となってしまった猫と犬は、昨年度だけでも合計で1万匹以上にのぼります。(※環境省ホームページより 令和4年度・殺処分数 猫:9472匹 犬:2434匹)
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この現状を変えようと、新たな家族の迎え方を見直そうとするところもありました。
記者
「こちらペットショップですが、店内に動物はどこにもいません」
空のケージに突如、しっぽを振ったワンちゃんの映像で現れました。
「ペットのいないペットショップ」です。(※23日まで、すでに終了)映し出されているのは、あらかじめ撮影した保護猫や保護犬の映像で、店内にある二次元コードを読み取ることで詳しい情報を見ることができます。
訪れた人は…
主婦(40代)
「普段の様子が見られるというのが一番ですよね。それが一番、すごくメリットだと思う。こんな姿も」
“冷静に判断できる”という声もありました。
自営業(50代)
「生身の子見ちゃうとかわいいので連れて帰りたくなっちゃうんですけど、でもこういうので見ると、落ち着いて1回考えようかなって」
ペットフェリーチェ 保護・譲渡スタッフ
「かわいいからといって“衝動飼い”してしまったりとか、安易に命を手放すという意識をもたないように、まずこういう活動を通じて一般の方の意識も変えていきたいなと思っています」
保護される犬や猫を減らすため、さまざまな動きが広がっています。