中学校部活の地域移行に課題 受け皿となるクラブが少なく 競技や地域にも偏り
中学校の休日の部活動を廃止し、地域のスポーツクラブなどに移行する取り組みが進んでいます。ところが、福井市では受け皿となるクラブが想定よりも少なく、競技や地域にも偏りが見られ生徒たちの参加にはハードルがあるようです。
20日に福井市では部活動の地域移行に関する協議会が開かれ、市では当初受け皿となるクラブを290団体と想定していましたが、調査したところ「参加可能」と回答したクラブは半分以下の116団体だったことがわかりました。
福井市では11月から参加可能なクラブの一覧をホームページで公開しています。
エリア別に生徒の受け入れが可能なクラブの内訳をみますと、市の西部ではハンドボールは3つの団体で受け入れが可能なのに対し、南部ではゼロ。
また卓球は南部に2団体あるのに対し、東部と西部はゼロ。競技やエリアごとに偏りがみられます。
市では休日のクラブ活動にはエリアに関係なく参加可能で、自由度を確保しているとしていますが、保護者にとっては子どもの「送迎」が大きな負担となります。
なお、市では「送迎費」や「生活困窮世帯への参加支援」などのサポートはしない方針です。
協議会では、委員から子どもたちや保護者への情報提供が不足していることや、「来年度末に迫った地域移行に向けて、準備にスピード感がない」といった厳しい意見が相次ぎました。
■福井市文化協会 副会長 佐藤壽治委員
「本当に未来がここで決まる 意気込みでやっていかないと駄目」
■福井市スポーツ協会 会長 萩原昭人委員
「詳細な実行計画が出てこないと、また同じ議論の堂々巡りで議論が進まない」
福井市では、引き続き参加可能なクラブの発掘に取り組み、休日の部活の受け皿の確保に取り組みたいとしています。