桜並木を守る「強せん定」 戦後復興のシンボルを次世代に 新たな芽の生育促す 福井市・足羽川の堤防 衰退した太い幹や枝を切り落とす
福井市のシンボル足羽川の桜並木。全長2.2キロ、およそ600本のサクラは「日本さくら名所100選」にも選ばれていて、春になると多くの市民や観光客でにぎわいます。この美しい桜並木を次の世代に残そうと、サクラをより長生きさせる新たな取り組みが始まりました。
70年前に戦後復興のシンボルとして植樹されたサクラ。一部で衰えが目立ちます。
■リポート 平田航大記者
「樹齢は70年を超えているものも多く、中には幹に大きな空洞ができてしまっている木もあります」
市民に親しまれる美しい桜並木を次の世代に残そうと、この冬から新たな取り組みが始まりました。
■樹木医とのやりとり
「その付け根で切ってもらおうか。(ここの付け根ですか?)うん、横の大きいのを生かして」
より元気な枝に栄養を行き渡らせ、新しい芽が出やすくするため、衰退した太い幹や枝を切り落とす「強せん定」という作業です。
市の委託を受けた業者が10日、樹木医の指示を受けながら、幹や枝を切り落としていきました。作業にかかる費用は、市民や企業からの1300万円を超える寄付金を活用することにしています。
■樹木医 今井三千穂さん
「いま再生事業をやると、2~30年はこの足羽川の堤防のサクラは楽しめると思う。県民の多くの皆さんに足羽川の堤防を大切に守ってほしい。春先は花を楽しんでほしい」
シンボルの桜並木をより長生きさせて、次の世代に残す取り組み。市では今後5年間で、224本のサクラの木をせん定することにしています。