【独自取材】千葉の巨大団地で“荒廃”が深刻化 さらに動画配信目的で迷惑行為が多発し住民からは不安の声「地元以外の人が来てトントンってドアをたたくんだって」

かつて工業都市として発展した千葉県茂原市にある真名(まんな)団地が、建設から半世紀以上が経ち、荒廃が深刻化しています。さらに迷惑行為も多発し住民からは不安の声も。真名団地は今後どうなっていくのか―?
■千葉の巨大団地“荒廃”で治安懸念も 団地から人が減る中、住民はある異変を目撃―。「夕方までいるんですよ。ただフラフラ歩いて…」
東京から車で1時間余りの千葉県のほぼ中央、茂原市にある、市営真名住宅。通称、真名団地。窓が割れ、ひと気のない住宅。奥へ進むと、さらに深刻な状況が広がっていました。
荒れ放題となっている真名団地。建てられたのは、50年以上前の1970年に遡ります。市内最大の公営住宅として、東京ドーム約1.2個分の敷地に、73棟、299戸の住宅が建設されました。一帯は豊富な天然ガスを活用した工業都市として発展し、1980年代には、1300人を超える人たちがこの地区に暮らしていましたが、現在、団地には僅か10世帯だけが住んでいるといいます。
この団地に長年住むという80代の女性は―。
(団地の住民・80代)
「良い所ですよ。でもさぁ、誰もいない、もう」
老朽化に伴って、団地を閉鎖するため、入居者の募集を停止している茂原市。現在住んでいる人に対しては、2026年3月までに転居するよう求めています。80代の女性は近くに住む妹の家に引っ越す予定ですが、団地から人が減る中、ある異変を目にしていました。
(団地の住民・80代)
「人が来ますよ、よく来るもん。地元じゃないね。夕方までいるんですよ。ただフラフラ歩いて。で、トントンってドアをたたくんだって。『開けちゃいけないよ』って、みんなが言ってた」
団地に訪れるという見知らぬ人。市によると、若者らが敷地に侵入して騒いだり、動画を撮影・配信するなどの迷惑行為が相次いでいるといいます。
(団地の近隣住民)
「YouTube等で取り上げられているようなので、どういうつもりで発信しているのかわからないけど…」
■検討委員会立ち上げも閉鎖後の活用は未定「引っ越し・転居はやむを得ない」住民の転居作業進む
進む巨大団地の荒廃と、治安への不安―。市は、団地の管理運営や跡地利用のため、4年前に検討委員会を立ち上げ、話し合いを進めていますが、1年後に迫る閉鎖後の活用法は、まだ決まっていないといいます。治安維持のためにも決定が急がれます。
住民から話を聞くと「賃料4000円という安い金額で何十年と住んできたので、住み慣れた場所でもあるし、住み続けられるなら住み続けたいが、老朽化が進んでいるので、引っ越し・転居はやむを得ない」と話す人が大半だといいます。
その一方で、「外から人が来て、写真や動画を撮って公開するという状況があり、治安悪化が心配だ」とも話しています。現在、住民たちは市営住宅や親戚の家など、市の協力を得ながらスムーズに転居作業を進めているとのことです。
そして茂原市にある市営住宅や団地の事業計画が進んでいるといいます。『長寿命化事業』という既存の住宅を“改善”して、住み続けられるように整備している場所もあれば、『集約化事業』という、既存の住宅を“廃止”に向けて動いている地域があるということで、真名住宅はこの『集約化事業』に入っているとのことです。
(「情報ライブミヤネ屋」2025年3月6日放送)